第3話 イネス
「ねえイネス?」
あれからとんでもなくお喋りなイネスと言葉を交わし、短期間ですっかり仲良くなっていた。
「ん?」
「僕の傷、いくら医療の心得があっても、こんな綺麗に治らない筈だ…君は一体…」
いや、こんなことができるのは恐らく…
「魔女だよ?え?だから殺しにきたんじゃないの?」
「初耳だ…」
しかしそれなら合点がいく、道理で二日寝込むだけで済んでるわけだ。
「私がこの村にいられる理由、それはね?価値があるからなの。でもね?村の皆は心から私を受け入れてくれた、これは、真実。」
「…僕は、到底赦されない罪を重ねてきたんだ、本当はイネスに見つかった時点で、僕も、そしてイネスも死ななければいけなかった。…わかるかい?僕には価値なんてない、イネスを殺しに、新たな教団の連中がやって来るかもしれない。だから…戻ら…!?」
最後の言葉をいう前にキスされた。…唐突すぎて頭が真っ白になる。…ゆっくりと顔を離したイネス。
「…これでアレクは無価値な存在じゃなくなったよ?」イネスは微笑む「君はもとから無価値なんかじゃなかったよ?でも、分かりやすいものを作りました、契約です。」
「つまり…?」
「私を守ってね、アレクシス・フューリー!」
こうして僕は、友達兼、契約者になった。
…ちなみに何故契約の確証が持てるかというと、まずファミリーネームを明かしていないこと、後は魔力というものが確かに感じられるからである。
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