第136話:俺の役目
桐谷目線___
これは酷いな…。司令部の拠点が爆破され、統率が乱れた結果これだけの死傷者が出たか。
「桐谷先生、交代します。」
「お願いします。」
救護班は小等部中等部の教員が応援に来ている。とりあえず休憩時間だ。生徒の搬入も落ち着いたし、とりあえず山場は超えたかな。休憩室に行く途中で雨梨君と蒼桜君が寝ていた。雨梨君の上には蒼桜君の学ランがかけられ、雨梨君の左手を蒼桜君が握っていた。あの時は泣いて廊下で座っていたのに、すっかり先輩になったんだな。
「ん…桐谷先輩。」
「ごめん。起こしたか。熱少しあるな。」目を覚ました雨梨君の頭に手を当てていると目を細めて気持ちよさそうな顔をする。
「手はどう?痛くない?」
「大丈夫です…。」
「良かった。」
「僕の手また物を持てるようになると思いますか?」
「なるさ。神経を切った訳では無いし、大丈夫だよ。俺みたいに撃たれまくっても生きてるのも居るから心配することはないよ。」ふわっと表情が緩み
「そうですね…。」と笑った。
「もう寝な。寝るだけでも少しは違うから。」
「はい…。」
怪我をした生徒は必ず復帰できるか不安になる。大丈夫。心配することなんて何も無い。生きて帰ってくればいくらでもあとは何とかなるんだよ。そう生徒達に伝え続けることが教師の役目だろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます