第134話:知らなかった

雨梨目線___

 羅希先輩の馬が安楽死になった。それは相棒を亡くしたことと変わらない。

「先輩は今も厩舎?」

「私達の馬の面倒見ててくれてます。」

「そっか…。」

「馬の安楽死ってああやってやるんですね。」

「凛音は初めて?」

「はい。実家では誕生に立ち会えても死に立ち会うことは無かったので…。安楽死があったとしてもお父さんはきっと子供の私たちには見せなかったと思います。」馬が好きで馬と育ってきた凛音にとっても辛かったよね。

「凛音。」左手で頭を撫でると、

「羅希先輩の方が辛いのに…。」と大粒の涙を目に沢山ためていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る