第132話:予後不良

雨梨目線___

「雨梨君。」

「桐谷…先生。」

「これは…。大丈夫だ。背負うぞ。」ひどいなと言ったらショック死する人も居るから大丈夫と言ったのかな。

「雨梨君…大丈夫だからな。」

 とにかく声を掛けてくれる。返事さえも出てこなくなってきた。本部に帰ってきた安心感もあって急に体が重く感じる。


 次に起きた時には廊下の椅子の上で寝ていた。

「これで大丈夫。歩けるか?」

「はい。」

「よし。良かった。」

「ありがとうございました。」

 桐谷先生の声だ…。

「雨梨君、目を覚ましたか。良かった。」

「はい…。」

「痛みは今は大丈夫?」

「はい…。」

「痛み止めを入れているから今は大丈夫そうだね。貧血もあるからここで休んでてね。」

「はい…。」

 中等部も呼ばれるくらい被害が酷いんだ。

「雨梨先輩!」

「凛音。」

「大丈夫ですか?」泣きそうな顔してる。

「ごめん…大丈夫だよ。凛音は?」

「私は大丈夫です。」

「蒼桜先輩は?」

「意識は戻りました。とりあえず検査でも異常はないのでそのまま安静にしてます。」

「良かった。他のみんなは?」

「奇龍先輩と羅希先輩は厩舎です。ただ、羅希先輩の馬が…。」


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