第131話:何かを察しても黙っておいた方がいい時もある。

羅希目線___

 息が上がる。

「姉ちゃん上手いけどスタミナが無いな。勿体ない。」

 反論しようにも息が上がって話せない。

「撤退しろ!」白軍は撤退か…。

「あーあ、もう撤退か。つまらないな。今度手合わせしような。」

「待て!」

 相手は拳銃で馬の脚を撃ってきた。

「しつこい女は嫌いだな。」

 馬はバランスを崩すがまだ立っている。直ぐ地面に降りて見ると、骨に異常がありそうだ。これは…。とりあえず馬に

「蒼桜君の所に行ってくるね。」と言い蒼桜君の所へ走る。

「姉ちゃん!」

「班長は?」

「意識朦朧としてる。」

「分かった。雨梨、大丈夫?」

 雨梨が白い顔で右手首を抑えながら肩で息をしていた。

「はい…。」

「撤退しよう。凛音は雨梨連れて、奇龍は殿。班長は私の馬で…。」

 私の馬は人を乗せて走れる状態ではない。

「班長の馬で離脱する。準備して。」

 私が班長の馬に乗り込み、班長を後ろに乗せて貰う。

「行くよ。」

 すると脚が痛くて暴れてどこかに言ってもおかしくない私の馬が来た。

「早く帰ろう。」

 5人と5匹で。

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