第一章 平凡な日常

シルベルン領の端。細々とした川があり川の周りは平坦な草原。さらに周りを見渡してみるとそこには山や森、領と街をつなぐ街道などがある。のどかと表現するにふさわしい場所だ。そこで四人の子供たちがいつものように戯れていた。そのうち二人は剣でだが。


アウゼス『エレン早く立てよー まだ戦い足りないんだよ!』


エレンが立つのを待ちきれない様子で、軽く跳ねるアウゼス。その姿はみじんも疲れなど感じない、むしろ元気で生き生きしていた。




エレン「はぁ 僕は君と違って身体強化できないんだから、そんなに長くは動き続けれないよ」


対して木剣を地面に突き立て松葉杖代わりにしているエレン。立っているのがやっとという様子だ。




身体強化それは体に魔力をめぐらし身体能力を上げる技術である。


ただ人によってその強さは変わり、技術力や才能によって雲泥の差が開く


アウゼスは10歳とは思えないほどの身体強化術を誇っており、エレンはそんな天才と毎日毎日戦っているのである。バカというより愚かである。




アリス『アウゼスそろそろご飯の時間だし試合はその辺にしましょ』


さすがに飽きてきたようだ。女の子にとっては男の子同士のチャンバラなど面白いものではない。ましてやエレンとアウゼスのチャンバラはレベルが高くもはや試合だ。




ゼルバート『そうだよーもうやめようよー僕おなかすいたよー』




アウゼス『ゼルはいつもおなかすいてるよなーその割に体は貧弱なんだから困ったもんだな』


アリス『生まれ持っての三属性持ちなんだからしょうがないよ』




魔法は誰もが使えるわけではない、使えるだけでも才能があるといえる。


その中でも生まれ持っての属性持ちというのは極めて珍しい




普通は魔法を使う中で属性が芽生え、それで初めて属性魔法を使えるのだ


しかし属性持ちは最初から属性を宿している、属性を芽生えさせたものと宿しているものが放つ魔法の威力の差は実に1・5倍から2倍だ。  実にばかげた数字だ。




そんな数字をたたき出す属性持ちの中でもっと稀有なのが複数属性持ちである


属性持ちに対して芽生えさせたものが取れる手段に複合魔法というものがある


異なる属性の魔力を混ぜ、より強力な魔法を放つというものが複合魔法だ。




属性持ちは宿した属性しか使えないのにたいして、芽生えさせたものは種族固有属性以外は努力次第で全属性使えるその優れた点を最大限に生かし1,5倍から2倍という数字を覆すのだ。


なのにもかかわらず複数属性持ちはその複合魔法すら使えるというのだ、才能様様である。


しかし欠点がある、それは属性を複数宿している分身体に特殊な影響が出るのである。




ゼルバートの場合身体強化ができない、常人の倍栄養が必要




アウゼス 『そうだけどさーまだ物足りないけど 腹減ったのも事実だし帰るかー』


エレン 「やっと帰れる アウゼスと毎日試合してるからずっと疲れが取れないよ」




アウゼス 『エレンも楽しいからいいだろ?俺はもっと強くなりたいんだよ。だからまた明日も頼むな!


エレン「僕も強くなりたいからいいけどさぁーどう頑張っても勝てないんだよなー」




アウゼス『身体強化できないんだからしょうがないって むしろできないのにある程度試合についていけてるエレンはすげーよ」




ゼルバート『そうだよ!お父さんも言ってた、身体強化もできないのにあんなに動けるのはおかしい。領主の息子じゃなかったらぜひ研究したいって」




エレン「フォローのつもりなんだろうけど普通に怖いよ」


アリス『ふふ確かにちょっと怖いね』




----------------------------------------------------------------------------------------




エレン フォート 魔法が使えない  8歳


シルベルン領の領主 シルヴァ フォートを父にもつ 貴族




アウゼス    剣術の天才 身体強化術が使える 8歳


シルヴァの部下 ウルヴァーナを父にもつ 




アリス     回復魔法が使える 7歳


シルヴァの部下 ルナウスを父にもつ




ゼルバート   水 土 火 の三属性の魔法が使える  5歳


シルヴァの部下 ウィードを父に持つ




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る