応援コメント

第1章ー11 Ancient Lost beasts  (上)」への応援コメント

  • 「率直に申す」の企画より参りました。
    ファンタジーな物語として、私個人としては好きですし、面白いです!
    突然、主人公がドラゴンと対峙する羽目になったり、
    魔法の箒で空を飛んだり、魔法の国に行ったり、妖精を見る事の出来る目を手に入れたり…!

    不思議な事がどんどん起きて、読者としては、すごくワクワクします!
    ハリーポッターみたいな児童文学系の素養もあって
    (その方向性はかなり好きなので)読んでいてすっごい楽しいです!!!

    ただ、もしかして、ちょっと「?」と引っかかってしまう点がいくつかありました。

    一つ目が「1910年代のロンドン」と言う時代設定です。

    例えば、1-9章で
    「工場ができたことで発生し始めたスモッグ。そのスモッグが空に昇って生まれた雲からは、酸の雨が降り注いだ。酸性雨のせいで枯れた森林。残った森林でさえ、輸出のために切り倒されて数が減っている。」
    とあります。

    確かに、酸性雨が初観測され論文が発表されたのは1870年代のロンドンなので時代的には間違ってはいないのですが、ロンドンのスモッグが「社会問題」になったのが1950年代になって1万人近くが死亡して、それでようやく「環境問題」と言う概念が生まれているような気がする点です。

    それまでは、環境など気にも留めず、富国への道をひた走っていた時代が1910年代のような気もするので……ちょっと時代を先取りしてるような気もします。

    (ただ、現代の我々が読む以上、そこまで気にしない方も多いかもしれないですが……)

    また、リーナの同僚が「動物アレルギー」だからペットはダメと言うようなエピソードもあったと思うのですが……

    アレルギーと言う概念に名前が付いたのが1900年代だったようなので、動物アレルギーが(社会として忌避されるほどの)概念として浸透してたのかな?と感じてしまいました。

    そのため、むしろ、この感覚を主人公が持っているなら、設定が現代人でも良くないかな?と思ってしまいました。

    2点目は、主人公のリーナの感性(感覚)が設定から想像出来うる人格と比較してちぐはぐな印象の点です。
    特に、ハルと出会ってからが顕著なのですが……

    「魔法」に憧れている子供っぽい一面。
    ソフィのような幼い子(しかもケモミミ幼女)に何の嫌悪も無い点。
    ミシェルの両親に対する深い思いやりの態度。


    上気の性格から導き出される成長過程は
    「両親からある程度きちんと愛され、(そのため、他人を尊重できる)
    思いやりや差別しない事は美徳であるという環境で育ち
    (自分が生き延びる為に他人の食事を奪ってでも…と言う極限の貧困状態ではなかなかたどり着きにくい美徳)
    ファンタジー等と言う娯楽と接する事が許されているそれなりに裕福な娘」
    …というイメージです。

    等々が、「キャラクターとしてはとても魅力的で好感が高い」のですが、
    序盤の「貧民街生まれだが今は貴族のお嬢様で軍人」と言う設定から考えると
    だいぶ、ちぐはぐな気がします。(1章時点では、かもしれないですが…)

    「ファンタジー」はそもそも「娯楽」でもあるため、
    超貧困層が触れられる文学ではないような気がする点。
    (貧困層の識字率の問題もありますし…)

    貴族社会に入ってから学んだ文字でファンタジーに触れ合った、にしては(ある種心のよりどころな文学と出会わせて貰った)貴族社会に全く馴染めていない感がある点。

    葛藤の結果「軍人」と言うかなり女性としては「激しい」職業につくような強さ(というか、したたかさと言うか、ある種の凄み)があり、気の置けない親しい上司に対する傍若無人で頑固そうな振る舞い。

    それらが、相まって、なんとなく「ちぐはぐ」な印象を与えます。

    ただ、あくまでも、それは現時点(1章と言う、完成までどのくらいあるのか分からない一読者の視点)では…と言う注釈付きです。
    それを狙っているなら文句なしの大当たりだと思います。

    リーナ本人の性格としては好感も持てるし、いい子だし、好きです。
    今後、どう進んでゆくのか楽しみです。

    後、4章の
    「嬉しかったことと言えば、私が案内された屋敷にアネットがいたの!」
    とありますが…

    「アネット」さんは、結局、リーナにとって何なんでしょう?
    「姉」の様な存在?
    「乳母」?
    「母」のような存在?
    単に凄く親しい「使用人」?
    「親友」?
    「家庭教師」?
    「リーナのお世話係」?

    この人が主人公にとって何なのか、読者側は分からないので「とりあえず、会えるのがうれしい人」
    「主人公の暗い過去に唯一光をくれた人」としか判断できませんでした。

    最初の部分で、具体的に●●な人、と表現があると、もっとわかりやすいかな~と思いました。

    それともう一点。
    気になった点が1章ー1~4の魅せ方です。

    プロローグはまだ許せるのですが…
    この1~4の間、視点が飛びまくりで、誰が主役なのか
    …読者側として判断しづらいのがちょっと辛いです。

    1…神話か伝説(エピローグっぽいなー、わくわく。)
    →誰だか分からないドラゴンと出会った人の語り(誰?)
    →不気味な感じの殺人事件の発生。兵士らしき人の一人称。(…この子が主役かな?)

    2…最初の語り(誰?)
    →上司視点の語り。三人称。(上司さんが主役なのかな?)
    →リーナ視点で友人からプレゼントをもらうエピソード。でも、友人から「リーナ」と呼ばれるまでは誰か分からない。(あ、主役は上司じゃなさそうだな…じゃ、リーナかな?)

    3…少年視点の三人称。後々、ハルだろうな、とは分かるけど、この時点では誰か分からない。(この少年が主役かな?)
    →ペンダントが光ったエピソード。しかし、「リーナ」が「友人からもらった」と言う情報が無い。(新キャラか?)

    …と、こんな感じで、1-11まで読んでから整理して序盤を振り返ると何となく「あー、あのシーンは●●かな?」とわかるのですが、最初のシーンが辛いです。
    読んでいる時、感じたのがカッコ内です。

    4以降はリーナの視点に固定されるので楽しいのですが…
    ちょっと勿体ないかなー…と思ってしまったのも事実です。

    今回企画参加のため、折角なら「全部読んでから」感想を書こう~♪
    と思って読み始めたので、結局、楽しく素敵な作品に出合えた!と思えたのですが
    多分「なんか面白い作品無いかな~…」と流し読みしているタイミングだったら
    4章までたどり着くまでに「これ、主役は誰やねん?」と思って読むのを止めていたかもしれないなー…と思った次第です。


    つらつらと勝手な事をすいません。

    話としては、読み進めれば読み進める程面白くなって行っていると思います。
    特に1-9の魔法は万能ではない、と言う概念がより世界観に深みを与えてくれていると思いました!
    頑張ってください!!!
    続きを楽しみにしています。

    作者からの返信

     呼んでくださりありがとうございます。また、感想をくださったこと、とてもうれしく思います。
     貴方様が下さった感想を読ませていただきました。もらいっぱなしというのもどうかと思ったので、感謝の念を書かせていただきます。

     まず、うわべだけではなくしっかりと読んでくださったんだなぁ! と、大変うれしく思いました。リーナの感性と人格がちぐはぐになっているという指摘は、本当に読み込んでくださったんだなと感謝しかありません。

     まず、公害とアレルギーの点については、ご指摘いただきまして考えなおしたところ、やっぱりこの時代に出すのは不適切だと納得いたしました。特に公害ですね。リーナは頭の回転は速いという裏設定なので、この先ロクなことにならないとは感じるかもしれませんが、すでに被害が出始めているというのは時代を先走りすぎていましたね。
     あと、アレルギーについてはアレルギーという言葉を使わずに別の言葉で言い換えてみるということにしてみます。「お隣さんが動物嫌いだもの」などというセリフに差し替えておきます。

     そもそも、なぜ現代人にしないのかといいますと、現代にしてしまいますと、過度に発展した監視技術やインターネットで魔法の存在が明らかになってしまうため、リーナとハルが自由に動き回れなくなることからこの時代にしました。〝裏で何かあって結局大丈夫だった〟というのが嫌いなんです、僕。まあ、そのせいで資料が全くと言っていいほど見つからなくて困っているのですが・・・(自業自得)。

     さって、あなた様が指摘してくださったリーナの感性と人格の不一致ですが、やはり僕の意図がきちんと読者に伝えられていなかったというのが大きいと思います。
     じつは、アネットとリーナが屋敷で会話をするシーンもあったのです。そこで、アネットとは何者なのか、リーナの過去、どうして貴族に拾われたのか、なぜ軍人になったのか、貧困街で何をしていたのかを説明していました。ですが、それを入れるとまた1.5万文字ほど追加され、いつまでたってもハルと出会えなくなってしまうので、泣く泣くカットとなりました。
     そのため、リーナという少女がどういう生き方をしていたのかが、カットした話を知る僕の中だけで有効になってしまい、貴方様と他の読者の方々に伝わらなかったんだと思います。申し訳ないです。力不足です。
     ですが、リーナが貧困街で何をして生きていたのか、なぜ貴族の生活に耐えきれなくなったのか、なぜこのように割り切った性格をしながらも優しい性格に育ったのか、などは今後明かしていく予定でしたので、完全に狙っていないかと言われればノーなのですが・・・情報の供給不足でした(反省)。

     最後に、視点のご指摘ですが、これがいちばん僕にとって厄介であり今後の課題だと気づかされました。感謝しかできません。僕の一番の悪癖に気づくことができました。

     おそらく、こうも読みにくい文章になってしまっていたのは、僕が「映像」をベースに文を書いていたからだと思います。
     誰の視点なのか分からない、主人公が誰か分からなかった・・・特に最初のプロローグは映像で言う最初の1,2分のつもりで書いていました。三話のサウサンプトン港も、映像にすると3分あるかないかの場面です。
     おそらく、映像にすればそれなりに分かってもらえるけれど、文章にしてしまったから読み進めるまで分からなくてモヤモヤするという現象が起こっているのでしょう。そもそも、視点を変えすぎましたね。第四話までで、リーナの上司ウォーレン、神の視点、リーナの視点、ハルの視点、町の警察官の視点と、五人分もあります。そりゃ分かりにくいはずです。

     読み始めが大事なウェブ小説では、僕のこの悪癖は致命傷です。ご指摘いただいて本当にありがとうございます。手が空き次第、調整を始めていきますのでもう少しだけお待ちください。新人賞に応募するときには、かならずこの点を活用させていただきます。
     
     最後に、重ねて感謝を申し上げます。読んでくださり本当にありがとうございます。感想をくださって本当にありがとうございます。読んでくれる方がいるというだけで続けていけます。「頑張ってください!!!」その言葉がとっても嬉しいです!

     手が空き次第、貴方様の作品も読ませていただきます。
    「8回分死んで異世界に転生したら最初の仲間がキーウィに変身するおっさんだったでござる」ですね。名前からして完璧に目が留まりました。必ず感想を書きますので、私が現れたら「来やがったなこのヤロウ!」と思ってください。遅かったら「おせーよ!」と返していただいても構いません。
     
     感想、ご指摘、本当にありがとうございます。
     貴方様の執筆生活が素晴らしいものになることを祈って。