第2話 創世記
悪役令嬢とは相対的な概念である。
『視点がいわゆるヒロインのものだから、ヒロインはヒロインなんです。一人称のお話には
ー それは、第三者視点だと、ヒロインではないということですか?
『
ー
『その通りだと思います』
ー
『逆に、すごく
ー では、乙女ゲームではない。との論評についてはどう思われますか?
『その点に関しては、否定します。既存の乙女ゲームとは毛色が違うので、プレイヤーの皆さんは違和感を覚えるかもしれませんが、我々はこれを乙女ゲームとして作っています』
『私はもともと
ー プラットホームとしてのスマホ台頭以降のジャンルの多様化は、一つの傾向としてあげられますよね。連載とは初めて聞きましたが、どういう意味でしょう。
『買い切りのゲームを単行本とするなら、ストーリーが更新されていくゲームは連載にあたると思ったんです。先ほどの質問に戻りますが、最終的に原点を探しました。乙女ゲームは何のためにあるのか。私の答えは、抑圧された欲求の満足と、快楽を得ることでした』
『ときめきたい。ということだと思います。最初は自分がイケメンにちやほやされたい、という欲求を叶えるツールだったんじゃないかと。
残念ながら、昔は、男にモテたい、ちやほやされたい、なんてあんまり正々堂々言えなかったと思うんですよ。日本では特にね。保守的な社会でしたし、異性はもちろん、同性からも、お前ごときが、って見られますからね。だから、普段は隠していないといけない欲求だった。
けど乙女ゲームはそれを満たした。これが性格と見た目の違うイケメンの中から好きなキャラを選んで、という一般的な乙女ゲームですね。選ぶ選択肢によって反応が変わることで『自分が行なっている』というヒロインとのシンクロ感も強めています。
そこから始まって、同じように、頑張るイケメンを
ー なるほど。乙女ゲームは欲求を補う場であるということですね。
『すみません、話が逸れましたね(笑)そうです。乙女ゲームは乙女の欲望を満たすもの。結論がついたときに、そういう欲求って、異性からもたらされる物だけではないんじゃないかと、考えたんです。
同性との競い合い、奪い合い、あの子よりも私が優れている。鼻持ちならない人の惨めな姿が見たい。見下してくれたけど、なによ、あなたの方が下じゃない。ざまあみろ。
そういった、競争欲と承認欲と言うんでしょうか。これも、確かに
そこから、捧剣は生まれました。遠慮なく優越感を感じるためのツールとして。
勿論こうした欲求の対象は現実では性別だけで区別できるものではないんですが、そこはフィクションなので』
ー 興味深いですが、なんだか恐ろしくも感じてしまいますね。捧剣は、ルート分岐が多く、攻略の難易度が非常に高いことでも知られていますが、これはなぜそうしたのですか?プレイヤーからも不満が出ていると聞きましたが。
『頑張った者こそ、報われて欲しいからです。そして、労力をかけたからこそ、達成感があるからです。そこが乙女ゲームに限らず、ゲームというコンテンツのあるべき姿だと思っているので。
簡単に手のひら返して別の女をちやほやするような男、信用できないし、要らんよねと、ライター陣が一致したのもありますね(笑)』
ー 最後に読者の方々に一言お願いします。
『乙女ゲームじゃないと言われることがありますけど、我々は胸を張って言えます。捧剣は、乙女のための乙女ゲームです。ですから、少しでも興味があるなと思った、未プレイの方は是非、お手に取ってみてください。現在2も鋭意製作中ですので、近日中に続報をお届けできると思います。プレイ済みの方も、ご期待ください!』
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