3.伍:オルタと六媒師

『アーマーカース』


 オルタが唱えた。

 それと共に全員の周りに蒼い塊が出現する。

 それは壊そうとしても壊れなかった。


「なっ!」


 ロウトウはすぐに何が起きたか察知した。


「皆の防御力が二分の一に下がったぞ!」


「何だって!?」


 皆が驚く中。


「もう遅い」


 オルタはそう告げて、次の魔法を読み始めた。


赤い魔法陣Rauður töfrahringur


 その瞬間、赤い魔法陣が出現した。


「紅に染まれ」


 オルタはそう言った。


『Tân』


 周りが燃えた。

 炎だ! 山火事を発生させようとしてる!!

 そして直感で俺は分かった。

 すると予想通り、周りの木が燃え始めた。

 こいつ…強い!


『ディステルンストゥサンクレイターメント』


 またオルタは技を発動する!

 俺たちはまず避けることに集中した。


「まずい! 避けられないんだよ!」


 アカリのその声に反応してアリナがバリアを張った。

 そしてアリナは他の人もその中に入るよう促す。


障壁に囲まれてOmring deur hindernisse


 アリナは新技を使った。

 その瞬間、オルタはバリアに囲まれた。

 そのバリアは段々と縮まっていく。


「まさか、この技は!」


「そう、相手を攻撃用のバリアで囲み、そのバリアを段々と縮めていくという技ですよ!」


 アリナのその技は強力だった。

 が、オルタの強さは尋常では無かった。


「このようなもの、知能が無い獣以外には通用せぬ」


「リーダー!」


「分かっている!」


 レトウスは二つの鉄塊を投げ、其処に目掛けて技を放った。


残酷な天使の暗闇の中Դաժան հրեշտակի մթության մեջ


 オルタは暗闇に覆われた。

 しかし、オルタはもうすでに脱出して、アリナの後ろにいた。


「何ですって!」


「まずはお前から倒そうか!」


 カキン

 オルタの攻撃はアリナを狙った。

 繊細なその攻撃は、アリナの心臓を狙うように見えた。

 裏切り者には罰を。

 まさにそう言っているようだった。

 が、…アリナに届かなかった。

 レイスとロントルが守ったのだ。


「守る」


 レイスはそう言いながら普通に盾となり、ロントルは盾となる雑魚キャラを沢山召還していた。

 ロントルは低級魔物の召喚士であるのだ。

 そしてそれと共にキョウケは凄い煩い音を出した。


「うっ!」


 皆倒れそうになる。

 その瞬間! オルタを助けるために木の間から戦いに割り込んだ人物がいた。

 それは、子供。

 小学生みたいな背の…子供だった。

 そしてその茶髪の子供が言った。


「我の名はトンテナ! これより停戦を提案する!」


 この一声で、戦いは止まった。

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