第3章 チレ国王

3.壱:リュウの力

「俺らは六媒師! 『おやじさん』なる者と面会がしたい!」


 俺は今、リュウと六媒師なる五人を見ながら、疑問を抱いた。

 何で六媒師なのに五人なんだ!? あと何でそんなに偉そうなんだ!?

 その気持ちを読み取ったかのように、「おやじさん」は話す。


「六媒師のうち一人は、死んだ。ゆえにこの六媒師は五人で今は動いている」


 一人は死んだのか…。じゃあもう六媒師から五媒師に改名すればいいのに。


「さあな、前の仲間が死んだと思いたくないのか…。にしてはあの五人でX魔物の一体を倒すとは…やるのお」


 X魔物って何だ?


「X魔物とは、この世に放された、十体の魔物じゃよ。それぞれ強力な力を持っている」


 ふーん、って。


「何で分かるんだよ! 俺の心が!」


 俺は驚いた。まだ一言も俺は話してないのだ。

 「おやじさん」は苦笑をして、答えた。


「それは分かる。いつかな」


 その後奴は高笑いした。

 全く分からない人物だ。この「おやじさん」という生物は。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 リュウは六媒師の元に現れた。

 リュウの瞳は曇りなく六媒師を見つめた。


「お前が『おやじさん』か…?」


 レトウスが訊いた。

 リュウは笑う。


「いや、違う。俺は『おやじさん』の手下だ」


「ふ、そうか」


 六媒師の反応を見ると、リュウは早速攻撃を繰り出した。


Tornadoトルネード


「それじゃあ出て貰おうか。俺たちのツガヤの森から」


 冷たくリュウは言い放った。

 木が何本も倒された。

 その竜巻は、何十本か木を倒すと消える。

 その後、俺は絶句した。

 六媒師にはノーダメージだったのだ。


「残念だわね。私の防御は貴方の攻撃に勝るみたい」


 アリナが微笑みながら言った。

 アリナはそう言うと反撃に転じる。


「よし、一気に反撃だ!」


 レトウスの一言で他の皆も反撃に転じた。


「直接、俺様達を『おやじさん』に会わせるんだな」


 アザリガがそう言いながら『最強N剣Sterkste N swaard』を繰り出す。

 その時、リュウは笑みながらこう叫んだ。


「いつ俺が本気を出していると言った?」


 リュウは黒炎を身に纏い、『最強N剣Sterkste N swaard』を無効化した。


「え?」


 そしてリュウは構えた。

 アザリガは目を疑ったが、すぐに体勢を立て直した。


「ん? 今何って言ったか!?」


 それと同時にレトウスはそう言いながら鉄塊を投げる。

 そして…


悪魔の炎Սատանայի բոցը


「容赦はしねえ!」


 アザリガたちも一気に必殺技を使った。


最強の斬撃Sterkste Sny

『居合い斬り』

光ボス石の矢Light boss stone arrow

『第十形態攻撃』


 大爆発が起こった。

 しかし、その中から出てきたリュウは…



 無傷だった。



「確かにお前らの攻撃は強い。低級魔物だったら瞬殺されるな」


「なっ」


 レトウスは絶句した。

 リュウは未だに表情を変えず、笑っていたのだ。

 今何か起きたか? …そういう顔をして。


「しかしそれはあくまで低級魔物。…お前ら。本当にX魔物を倒したのか」


 俺も驚いていた。本当にリュウは死んでしまったと思われるほどの大迫力な攻撃だったからだ。

 確かにロウトウとアカリはX魔物の奴を倒した時より手加減はしていた。しかし、それでも十分一人の魔道士は倒せる威力だったのだ。


(そうか、X魔物に比べてこの男は弱点が無い。いやそもそも本当にわしらはX魔物を倒したのか本当に信用出来なくなってきたのう)


 ロウトウは思った。


「俺はお前ら五人の攻撃と同じぐらいの攻撃力の技を出せるぜ。FINAL称号を得ているから、簡単にな」


 FINAL称号? 少し俺は疑問に思った。

 その瞬間リュウの両手は様々な色に包まれた。


「FINALラウンドだ」


 リュウは言った。

 リュウの笑みは奥深く、五人を嘲笑っているようにも五人を励ましているようにも見えた。

 そして…!


派手な力화려한 힘


 そのリュウの技が使われた時、六媒師は光に包まれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る