天使と悪魔は神から現世を守れるのか⁉︎ーGood Omen (ドラマ)

ドラマを見ましたが、原作は小説です。

https://www.amazon.com/Good-Omens-Season-1/dp/B089XW1Z6Y

紀元前から現世を見守る天使と悪魔の話。


天使アジラフェルはアンティーク書物集めと紅茶を愛する英国人で趣味は美食。現代の地上では本屋を営んでいます。

悪魔クロウリーはロック音楽を愛する美食家。

二人とも現世のロンドンの生活がお気に入り、天国と地獄からの指令を時に協力、時に共にさぼりながらこなし、友情を深めていくのです。天国は役所みたいなところで、地獄もまた、ちょっと荒ぶってるトップダウンの組織として描かれています。


ある日地上に悪魔が反キリストアンタイキリストを生まれ落とさせます。地獄の王子的なやつです。成長した反キリストにアルマゲドンを起こさせて地上をリセットするという計画なのです。

そこで反キリストが12歳でアルマゲドンを起こすまで「邪悪に育つよう」見守るようにという指令が悪魔クロウリーに下ります。ところが金持ちの外交官の家に生まれるはずだった赤ん坊が取り違えられてしまい、反キリストは普通の家で賢い良い子に育ってしまうのです。



そんなわけで、

この話の見所のひとつは、地上に降りた天使と悪魔の

仲良しっぷりです。


私のお気に入りのエピソード1はノアの方舟の様子を見た二人が

クロウリー「神は大洪水で地上の人間のほとんどを殺すらしい」

アジラフェル「なんでそんなひどいことを」

クロウリー「いや、地元民だけだ《only locals》。中国人とかは大丈夫だ」

って下り。聖書の矛盾をついた良いセリフ!


お気に入りのエピソード2は地獄の番犬が、反キリストのところに仕えに行くエピソード。「地獄の番犬は、主人である反キリストの望む見た目と性格にならなくてはいけない」と言う縛りがあるのです。


いざ地獄の番犬が反キリストのところに来てみると、少年がつけた名前は「犬」。しかも少年が「小さくて賢い犬がいい」と言ったために、地獄の番犬は普通のテリア犬になってしまいます。かつてはグレートデン並に大きく、牙が何本もはみ出している恐ろしい見た目だった地獄の番犬が、名付け前に物陰で出番待ちするのが可愛い❤️テリア犬になってから、たまに地獄らしさを発揮しようとして猫に負けたりするのも可愛い。


ですが飼い犬が地獄の魔物だと知らない反キリストは、魔除けの蹄鉄がついた入り口をくぐるように地獄の番犬に命令しちゃうのです。地獄の魔物が魔除けをくぐったらどうなるの?!やだ、地獄の番犬が死んじゃう!

……とハラハラしてたら、

ふっつーに入口くぐって家に入り

「地獄の番犬らしさがさらに失われた」

てそれだけ。

普通に入れるんかーい!



まあそんな感じの、あほらしかったり、トンチで神や悪魔を出し抜いたりする

すっとぼけコメディです。

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