第22話 球技大会 其の12
もう一方で、澄と祥子が握手をしています。
「祥子、全力で行くわよ」
「あたしもよ、澄。力いっぱいやらせてもらうわ」
こちらでも、勝負の前の握手が
「わたしったら、なんてことをしているのかしら。全校生徒の目の前で、祥子と手をつないでいるなんて。わたしと祥子は女の子同士なんですもの。手をつなぐくらい、別に変じゃないわ。ちょっと仲の良い女の子同士の友達なら、普通にすることよ。だけど、こんなに大勢の人間が注目している中で、二人で手を握り合うなんて。いいえ、違う、違うわ。これはあくまで、スポーツをする上での、ごく自然な約束事みたいなものよ。けして、わたしと澄は、人に後ろ指を指される様なことはしていないのよ。道徳心やらモラルやらなんかを気にして、秀みたいな、なんちゃって二枚目さんなんかを、私の彼氏と言うことにしているけど、そんな
自分と手をつないでいる澄が、そう言った妄想をひねらせているわけですが、そんなことは、祥子は百も承知です。それでもなお、祥子は澄の手を握り続けているのです。
「まったく、澄ったら。いくらあたしと、衆人環視の中で手を握っていられるからって、あんまり変なことばかり考えていちゃあだめよ。ほらほら、頑張って冷静な表情を保ち続けようとしているみたいだけど、そんなんじゃあ、他の人は
そのような
偽装の恋人 男カップルと女カップルが互いの恋人を交換しあってカモフラージュしちゃった @rakugohanakosan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。偽装の恋人 男カップルと女カップルが互いの恋人を交換しあってカモフラージュしちゃったの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます