18 たぶん存在に対する優越感
結局、眠れたんだか眠れなかったんだかよく分からない一晩を過ごし、朝を迎えた。
私が目覚めた時、彼女は静かに眠っていた。出来るだけ音を立てないようにテントを出て、干しておいた制服と下着を回収した。思ったよりもしっかりと乾いていた。
着替えながら昨晩のことを思い出すと恥ずかしくなった。
今思い返すとちょっと導入が雑だった。せっかく夜の学校にいるのだからもっと特別なことをしておきたいという気持ちが先走りすぎたような気がする。
別に行為自体楽しいからそれだけでもいいのだけど、出来ればもう少しさり気ないムードから入れるようになりたいものだ。
彼女の白い太腿を眺めながらストックしておいたパンを食べた。
すらっと細くてふくらはぎからつま先までのラインがとても綺麗だ。
世界中で私だけがこの足を舐めたことがあるという事実は少し優越感を与えてくれる。何に対する優越感? たぶん存在に対する優越感だ。
学校に人の気配が増えてきた。彼女を起こそうかとも思ったけど、もし今彼女が睡眠不足だったとしたらそれは百パーセント私のせいなので、そのままにしておくことにした。
今日は土曜日だから午前中で授業が終わる。「いってきます」と口の形だけで彼女に声をかけて私は登校した。
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