恵みの雨

Rin

恵みの雨

日常を描きだす

水墨の日々

人生そのものが

追憶にすぎない

今、何を思い描くだろう

黒い雨が降り出した

音もなく

かすかに聞こえる

子供の声

食器洗いの雨水が

こぼれ落ちた

涙のように

君は言う

振り向きざまに

さよいならと

その一言が

帰らぬ

人となる日を

宿命だとー

降らして下さい

これが最後の

お願いです。

どうかー

どうかー

恵みの雨を

もう一度

運命にかわる日まで。








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恵みの雨 Rin @Rin_2019

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