出逢い

気付いたら、神社の前まで来ていた。脚が痛い。草か何かで切れたのかもしれない。でも、そんなの気にしなかった。気にするなんて出来なかった。もう階段を登り終えたら、祠はすぐ近く。誰か私を止めて。こんな事したくない。



「おやお嬢さん。こんな所に一人とは。如何したの」



青年が居る。袴の様な格好。フードの付いたマントの様な外套を羽織っている。優しそうな目付きだ。きっとこの人は良い人だ。逃げて、お願い。今の私だと、貴方を傷付けてしまうかもしれない。逃げて、お兄さん。知らない人まで巻き込みたくはないわ。



「へぇ…君、面白いことになっているねぇ」



瞬きをしたら、目の前の青年が消える。と、同時に後ろ首に鈍痛が走る。何故、考えなかったのだろう。そもそも可笑しいのだ。何故、絶対に近付くなと言われる神社に居るのか。しかも、袴。きっとずっと神社に居る人間だ。私にだけ法螺話が吹き込まれていたのか。色々な考えが頭を駆け巡る。__が、意識が遠退いていった。在り来たりだ。



「やっと見つけた」

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