ビー玉に映るサクラ草の少女
結城 佐和
ビー玉に映るサクラ草の少女
僕は宇宙人と交信した。
その子は女の子だった。自分で宇宙人と言っていたが、僕の同級生の女の子と変わらない見た目をしていた。少女が話す他の惑星の話は、幼かった僕の好奇心を刺激した。
それと同時に、少女と話していると、なんだか心臓がバクバクと跳ね、会話の合間に見せる少女の何気ない仕草にドキドキした。今だから分かる。それが僕の初恋だった。
別れ際、別れを惜しんだ僕らは、いつかまた会う約束をした。その時、僕は指切りを少女に教えた。なにそれ、と微笑む少女の姿はとても愛おしかった。
少女はそのお返しに、見たことのない小さなビー玉を貰った。少女の住む星の品物らしい。
そのビー玉は宝石のようにキラキラと輝いていて、少女のように綺麗だった。
ビー玉を見るたびに少女の事を思い出した僕は、ビー玉を加工してネックレスにした。
それからというもの、そのネックレスを肌身離さず着用している。今も。そしてこれからも。
少女がまた地球に来た時に、僕だと分かるように
ビー玉に映るサクラ草の少女 結城 佐和 @yuki_sawa
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