お人形遊び
「いいかい、お人形は壊れやすいからね。丁寧に扱うんだよ。それでもお人形は壊れてしまうからね。そうなったら捨ててしまうといい」
「お父様、お人形ありがとうございます」
「いいんだよ、アマリア。君が楽しいのならね」
目の前にごろんと転がっているもの。それは人間だ。ああ、それは分かるのよ。分からない方がおかしいわ。
でも、私達の家ではこれをお人形として扱うの。奴隷みたいなものかしら。
でも、普通の奴隷とは違うわ。
着せ替えもして、好きなように出来るのがお人形だわ。
でも、お人形は簡単に壊れてしまうのよね。今までに何回も壊れたお人形を見てきたわ。
それはとっても可哀想だったし、悲しくなったけれど、美しくもあったわ。
お人形にも耐久性がありますもの。だからそれを見極めるの。
簡単に壊れてしまったら意味が無いわ。
「人を人形のように扱い、壊れたらいらない玩具のように捨てる。そんなこと、ずっと前から当たり前だったのよ。だから、今更変わるはずないと思っていたわ」
彼という人に出会ってから、変わってしまったわ。
雪のように白い髪、炎のように紅い瞳、透き通るような真っ白な肌を持った彼に出会ったら、変わってしまったわ。
私の中で、何かが爆ぜた。
ああ、この気持ちは何でしょう。
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