ちいさな図書館

そるこ

死せる世界

いつかは分からない。

私はいつからここにいるのかは分からない。

確かなのは私がいるよりも前からこの世界は死にかけていたということ。

生き物の気配がせず、ただ風が砂塵を巻き上げる。

白い砂漠が、目の前に広がる。

一体何日これを見続けたのだろうか?

周りは、壊れかけた建物。風化してしまった植物。生きているものがいない。

そうそれは、私を含めて。


私は生きていない。動いてはいるけど、生きてはいない。

創造主がいなくても動くのだ。

死ねないのだ。

私のようなロボットは。

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