第9話 拷問
ここは何処だろう。視界が全く無い。
冷たい……この感触は鉄だろうか。
「ん? 気がついたようだな」
目に一気に光が流れてくる。
辺りを見渡す。眼鏡を掛けた初老が佇んでいるのと、床には血痕があって、かなり不気味だ。
「いきなりだが君の能力はなんだ?」
俺はTIMEREAP のことについて話す。
「そうか……TIMEREAPか。早速だが君を拷問していこうと思うよ」
初老はナイフを持ち出し、ゆっくりと近づいてくる。そして、左目に向けて差し込んだ。
「うわぁぁあぁぁ!!」
左目をえぐられた。人間の防衛能力が働いて、能力を無意識に発動する。だが、これが失敗だった。
身動きが全く出来ない状況で、時間を巻き戻したところで回避できるわけではない。
もう一度左目をえぐられた。
感覚が三倍になる覚醒剤を打たれ、右手を銃で撃たれた。
「ぐわぁあぁあぁぁ!!」
もうなにもかもが分からなくなってきた。
もう一発弾丸を体内に埋め込まれる。
叫び狂った。
「私は拷問が趣味でね。次は十万ボルトを君にながしてみようか」
なにかの機械を上半身につけられ、電流を流された。
「うわぁぁああああぁ」
もう無い左目をまた、ナイフでこねくりまわされた。
―――――――――――――――――――――
どうしよう……。北川さんが『レード』に連れ去られた。
「落ち着け、早乙女!! 北川は大丈夫なはずだ」島田くんが私をなだめる。
北川くんが連れ去れたことが分かってから、一日がたってしまっている。
急いで学園のヘリに乗り込み、救出に向かっている。
大丈夫だろうか……。駄目だ、不安で手が震える。
一時間がたってからやっと、目的地に着いた。
急いでヘリから降りて、目の前の膨大な施設に入る。
嶋田くんのお陰ですぐに北川さんの居場所が分かった。
そこに突入すると、初老が佇んでいた。そこに血だらけの北川さんが椅子に縛り付けられていた。
嶋田くんが初老を殴って気絶させる。
「北川さん? 大丈夫?」
返事が無い。
左目がえぐられていて、右腕もかなり出血している。右目の焦点も合ってない。
私は抱きしめた。もう、大切な人を無くすのはもう嫌だ。
病院に搬送され、なんとか命からがら助かったけど、北川さんの精神はおかしくなっていた。
笑ったと思ったら、急に泣き出し、怒って叫びまくる。
医者は重度のうつ病と診断。もう治らないらしい。
私は病室で泣き叫んだ。
「早乙女……」嶋田くんが呟く。
もう、私の大好きな彼はもう戻ってこない。
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