第5話 強引

 「あのー小島さん?」早乙女が話しかける。先ほどとはうってかわって冷淡な感じだ。

 

 「なんだ?」小島は睨み付けながら言った。早乙女は動じない。

 

 「貴方に大切な話があります」

 

 「もしかして、あぁーね、先に帰っててよ」小島は隣にいた友達? を帰らせた。

 

 「何? 告白かな、まぁ確かに君は可愛いけどごめん。無理だわ」 嘲笑いながら言った。


 「そうではなくて……実は貴方にはある能力があるのですが、その能力は、人を殺してしまったり、自分を苦し」

 

 「うっせーな!! テメェの話をウダウダ聞いてる時間はねぇんだよ。分かったら中二病はとっとと帰れ」早乙女を押し退けた。その反動で倒れる。


 「おい!! やりすぎだ。あのな、彼女の言っていることは全て本当のことだ」嶋田が鬼の形相で睨み付ける。


 「は? 黙れよ。ぶっ殺すぞコラ!!」

 怒鳴り散らかし、相手をびびらせようとする。


 二人で喧嘩が始まりそうなので、俺が止めに入る。


 「や、やめてください二人とも」


 「は? ぶち殺すぞ陰キャ!! 童貞が俺に話しかてんじゃねーぞ餓鬼」


 小島が俺を殴る。俺が倒れても股がって、ひたすら顔面を殴り続ける。


 「おい!! お前らなにしてんじゃ」麗佳学園の教師だろうか。止めに入る。


 「やべ、逃げるぞ」小島が走り出す。それを俺達は追いかける。



 「お前ら何で付いてくるんだよ」


 路地裏に逃げ込んだ俺達は、小島を説得するために、下手に出て話しかける。


 「貴方が私たちの学園に編入してくれるのなら、これ以上貴方には観入しません」


 「うっせーよ、俺はな、テメェらの言うことなんか一ミリだって聞かねーよ」


 「お前は自分の能力を知っているはずだ」嶋田が淡々と言う。


 「は? そ、その証拠はあるのかよ」


 「透視能力。お前はその能力を知ったとき、女子の裸を見ていたな。その光景がしっかりと見えるぞ」


 「あ、お、お前は何者だ……」怯えている。図星なのか。


 「予知能力だ。この能力は結構使えてな、お前が部屋でしていたことも、お前の寿命も、お前の結婚相手も分かるぞ」嶋田が笑っている。


 「分かった。分かったからもうやめてくれ」


 「では、私たちの学園にきてくれるのですね?」


 「分かったよ!!」小島は了承した。


 小島は『軍事学園』に編入した。勿論、編入してからもモテまくっている。ハァー、俺も人生で一回でもいいからモテたいな。


 教室の片隅でそんなことを考えていたら、早乙女が「何を考えているのですか?」と尋ねてきた。




  

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