次の舞台は断頭台



ちいさな頃は お姫さまに憧れて

お話に出てくるわるい王女さまは大っ嫌いで



ぜったいお姫さまになるんだと

空飛ぶ笹船に願った




あれから幾年

願ったものとはほど遠くも

2LDKのお姫さまにはしていただいた


ちいさなお城に ついついはしゃいだ




それから幾年

あれだけ忌み嫌っていた王女さまに

私は成り果てた


なんと愚かなことだろう


なりたくないと願っていても

そうならざるを得なかった

嫌いなものに無理矢理染められていく悪感


この世はそういう風に出来ていた

ここまできてようやく気付いた


おとぎ話の王女さまは

戦うため 守るため

お姫さまの衣を脱いだのだ


舞台は回る ずっとここには居られないのに




王子さまは かえってこない


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噓つきの燕菜席 燕之欠伸 @Yawn_swallow

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