第13話 初めては海坊主
「はぁ、はぁ・・・・・・正直予想外だったわ。まさかこの私が足を舐められるだけであんなにもはしたなく感じてしまうなんて・・・・・・」
至福?の足舐めタイムが終わったころ、ニーナは肩で息をするくらいには消耗していた。
正直彼女のリアクションが思いのほかよかったから調子に乗ってしまっただけで俺は美少女の足の裏を舐め回すのが趣味の変態というわけではない。断じて、ない。
足舐めなんて一般市民の健全な学生である俺は初めての経験なのだ。
俺自身も足の裏を舐めてみるまで俺がこんなテクニシャンだなんて知らなかった。
まあ、ニーナが人より敏感だという説もあるが、なぜか俺はどう舐めれば相手は感じるのかを本能的に理解していた。
もしかして俺は女王様と豚でいう豚の才能があるのではないか、そんな自分で出した仮説に勝手に傷ついた。
「おい、俺が言うのもなんだが大丈夫か・・・・・・?」
「全然問題ないわよ。それよりゴリウス、私は戻って解析するから彼に説明の続きをして頂戴。」
強がりを口にしながらニーナは靴と靴下をはきなおして足元をふらつかせながら俺の病室から出て行った。
自分から命令したとはいえさんざん人前で喘ぎまくった彼女と賢者タイムの俺では気まずくて話にならない。
正直ゴリウスと二人っきりというのは嫌だったがしょうがない。
それに、俺には知らなければならないことがいくつもある。エーゴマ隊の実態、あのGOMAネードの被害状況、それとおふくろと朱鷺子の安否。それを聞き出さなければならない。
「わかりましたお嬢様。それでは鮫島さま、失礼します。」
ゴリウスは手際よく俺とベッドをつなぐベルトを外す。
腰下から屈強な禿頭の巨漢にカチャカチャ金属音を立てられると背筋がひんやりする。
さんざん主の足の裏を舐めまくっておいて言えることではないが。
そんなことを考えていたら寡黙なゴリウスがボッサっと俺に話しかけた。
「これで私たち、
「はえ!?」
なんか急にとんでもないことをおっしゃりやがらなかったか!?このムキムキハゲゴリラ!!
筋肉モリモリマッチョマンのおゲイな変態なのか!?こいつは!
俺はいまだ縛られてるので逃げられない、っていうかコイツ相手はマシンガン持ってても逃げ切れる自信がない。
掘られる掘られる掘られちゃうよお!ごめんなさい、おふくろ。
貴方の息子の初めてはムキムキスキンヘッドSPに無理矢理奪われるみたいです。
「いやああああああ!やぁぁぁぁめえええぇぇてぇえええぇえぇぇ!」
最後の力を振り絞って暴れまわる。ベルトが解かれた下半身しか動かないがそれでも何も抵抗しないよりはマシだ。
バタバタと足を振り回して足元も見ずに蹴りまわる。意味もないことを理解しながら。
「どうしたんですか鮫島さま!一体何があったんですか!お尻が!お尻がすごいです!」
暴れる俺をゴリウスは押さえつける。ヤバい、本格的に掘られる!お尻がすごいってなんだよ!
すごくお可愛いお尻ってことか!そうなのか!
「掘らないでえええええ!アタシノーマルなの!ノンケなの!ホモじゃないの!だから勘弁してええええええ!」
「落ち着いてください!一体掘るとかノンケとか何なのですか!」
「そんなこと言ってアタシの尻を狙ってるんでしょ!そうなんでしょ!わかってるのよ!」
あまりの恐怖に若干メス堕ちする。これでは余計に掘られそうだ。
「狙いませんよ!私ゲイじゃないですし!」
寡黙なキャラを崩壊させて俺を制止しようとするゴリウス。いや、今なんて言った?
ゲイじゃない?ほとんど会話したことのない俺を
「ほんとに?ほんとに狙わない?掘らない?」
「狙ってません。それに掘るっていうのは理解できませんが多分やりません」
「ほんとのほんとに?」
「ほんとのほんとです」
メス堕ちのお次は幼児退行まで起こしてしまった。掘られなくても俺は大事なものを失っている気がする。
半魚人になった時点で今更な気がするが。
「でもなんで
「ああ、そういうことですか。すいません日本語のスラングには疎くて」
ゴリウスは髪の毛のない頭を掻きながら謝罪する。本当に俺を掘る気はないみたいだ。
ノンケでないかどうかは別として。
「これで私たち、お嬢様の足を舐めあった足兄弟ですね、って言ったんです」
「十分やべえよ!っつか足兄弟ってなんだよ!それに日本語の慣用表現知らないのになんで穴兄弟なんて単語知ってんだよお前!」
二人っきりの病室に盛大な突っ込みがこだました。
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