第12話 目覚めたら足の裏
「んあっ・・・ちょ、なんで貴方そんなっ・・・・・・ちょっ、くすぐったい・・・・・・」
ベッドに敷かれた白いシーツの上、ニーナの鼓動が早まり、声に艶が出始める。
くちゅくちゅ、くちゅくちゅと水音が立ち、俺の舌が敏感なところを責め立てる。
「あっ・・・・・・やめなさい、そこは敏感だからってあっ・・・・!ダメ、そんなとこ舐められたら私・・・・・・」
ニーナの静止を無視して俺は攻め続ける。くちゅくちゅと唾液と体表の粘液を存分に使って摩擦を下げて責め立てる。そのたびに彼女は喘ぎ、声を上げる。
「止めるかよ、お前がやれって言ったんだろうが。俺は悪くねえぞ」
「でもまさかここまでなんて・・・・・あっ!そこダメ!」
そう、何を隠そう俺に舐めろと言ってきたのは彼女だ。責任は俺にはない。いままでさんざんからかわれたお返しに舐めて舐めて舐め続ける。
「なんで貴方そんなに上手いのよ・・・・・・もう完全に想定外って、ひゃう!」
今度はいままで攻めてなかったところを攻めてみた。不意打ちを喰らったニーナは艶っぽい声を上げてのけぞり、俺の足元のシーツを強く掴んで深いしわを残す。
荒くなった呼吸と高くなる体温は十分に彼女の頬を紅潮させてくれる。俺の頑張りの成果だ。
「あっ・・・・・・」
容量を掴んできた俺はニーナの敏感なところにキスをしてジュルジュルと音を立てながら吸う。
もちろん、舌で刺激するのも忘れずに。
ニーナはこの状態から抜け出そうとすれば容易に抜けだ出せるのに何故かそれをしようとせず、俺のなすがままになっている。
これでは主従逆転だ。俺は別にゴリウスのようにニーナを主とした覚えはないが、組織図で見れば彼女が俺より立場が上なのは明白だ。
それなのに攻められるがままになって艶のあるソプラノボイスを病室に響かせている。
「やめっ・・・・・・ダメ、そこはやめて、お願い、だから・・・・・・んああっ!」
唇を離してまた舐める体勢に戻る。濡れそぼったところを再度舌を伸ばして嘗め回す。
足の裏を。
俺はベッドに拘束され、銀髪幼女(少なくとも見た目だけは)の足の裏を舐め回すという高等プレイを行っていた。
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時は少しさかのぼる。
ミスタードーナツでの戦いの後、俺は朱鷺子に連絡を受けたゴリウスによって筑波大学病院に再度運び込まれた。
目を覚ました時、俺はベルトでベッドに縛り付けられて身動きが取れない状態にいた。
身をよじって抜け出してみようとするがベッドがギシギシと軋むだけで何も変化がない。
まずい。これはまずい。
ニュースで介護業界の底辺ではこういったふうに介護者を無理矢理ベッドに縛り付けるといった行為を行うらしいと見たことがあるが、まさか自分がこんな目に合うとは思わなかった。
やらかしたことがやらかしたことだ。お咎めなしとは思えないし相手は人間を半魚人に作り替えるような奴らだ。どんな目にあるのやらわかったもんじゃない。
ベッドに取り付けられた機器が俺の覚醒を感知したのかピーピー電子音を鳴らす。
数分ほど経ってニーナとゴリウスが病室にやってきた。
「お目覚めの気分はどうかしら、何か必要なものがあるなら言ってちょうだい。」
大けがをして運び込まれた俺を心配したのだろうか、いつもの容赦ないSロリと打って変わって彼女は優しい態度をとっていた。
目が笑っていないことに目をつむれば。
「あのーもしかして俺なんかやっちゃいました?」
さんざんネットでネタにされたセリフでいちおう彼女の機嫌をうかがってみる。
いや、自覚はあるのだ。
未来技術の集合体みたいな手術を受けた貴重な実験サンプル(自分でもどうかと思うのだが)が勝手に病室を抜け出して大衆にその姿を晒した挙句、ゴマモンガラどもと殺し合いをして気絶して天下の往来でぶっ倒れたんだ。
流石に怒られる。怒られるのは構わないが終始こうして笑ってられると怖いを通して不気味だ。
「大丈夫よ、貴方はよく戦ったわ。————なんて、言うとでも思った?」
「いえいえ!思ってるわけないじゃないですか!」
ついに爆発する。
「貴方何してくれんのよ!まだ体がどうなってんのかもわかんないのに飛び出した挙句大衆にそのホンソメボディ晒して!見なさいよこれ!『全身タイツヒーロー、ミスドを救う』ってもうTwitterに流れてんのよ!トレンドにも入ってるのよ!もう段取りがメチャメチャじゃない!」
突き出されたスマートフォンにはサムズアップしたままうつぶせにぶっ倒れている入院服を着た青白黒半魚人の画像が早くも全国ネットで流れていた。
もうちょっといい画像なかったのか、これじゃあオルガ・イ〇カだ。
ただでさえ転生したみたいなもんなのにこれ以上の異世界転生なんて御免こうむる。
「す、すいません。」
「ごめんで済むなら秘密結社なんて要らないのよ!貴方のこの間抜け画像で私たちエーゴマ隊が全国デビューする羽目になったのよ!一体どう責任取ってくれるのよ!」
確かにこれで世間に俺の存在が知れ渡ってしまった。
半魚人という真実にたどり着ける人はそういないとは思うが、オ〇ガが象徴の戦闘部隊なんて確かに縁起が悪いにも程がある。
あとで調べたがネットではコラ画像やBBが出回っていた。
そんな時間経ってないだろうにネットというのは大したものだ。
「
聞きなれないスラングを吐きながらニーナはベッドを殴りつける。
怒り疲れたのだろうか、ゼイゼイと息を吐きながらベッドの傍の椅子に座り込む。
「すいません、いや本当に申し訳ないです。許してください、何でもしますから!」
ベッドに縛り付けられたまま平謝りする。土下座どころか頭を下げることすらできない間抜けな姿勢だが、俺には謝ることしかできない。
「え?貴方いま何でもするって言ったわよね。」
ニーナの怒り心頭だった表情が怪しくゆがみ、目は危険な光を帯びる。
やべえ、まずいことになった。『お願いします、何でもしますから』とかフラグにも程がある。
分かっていながら特大の地雷を踏みぬくとかアホだろ俺。
それに相手はあの幼女だ。何をしでかすかわからない危険性がある。
「あの・・・・ニーナさん?」
動こうにも拘束されていて逃げられない。
いったい何をされるんだ俺は。どんな責め苦を、どんな恥辱を与えてくるんだコイツは。
俺が自分の想像力をフル回転させてニーナの思考を読もうとすると、ニーナは意外な行動に出た。
おもむろに右の靴だけを脱ぎ始め、続いて靴下も脱いで裸足になる。
そのあと左の足は靴下を履いたまま俺のベッドに上がる。
そのままベッドの上に立ち、裸足になった右足を俺の顔の前に突き出してくる。
少女の足の裏の臭いが俺の鼻孔をくすぐる。あんまりいいものじゃないな、これ。
「私の足を舐めなさい。そうすればその拘束は解いてあげるわ。」
非情に悪い顔をしながらニーナはとんでもないことを要求しやがった。
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