4
5日後。
野宿をしてこの星をゆっくりと見て回っていた。
3日目には廃墟で寝てみたりもした。
4日目には海というものを初めて観た。
生産的な事は特に何もしていない。
そして現在、僕の目に映るのは一面の夜だった。
この目に映る全ての星。
かつての人類はこれらを旅したという。
隈なく、虱潰しに、作業的に。
その理由は退屈から生まれたという。
地球という小さな星で退屈した人類はより広大な宇宙へ向かうことにしたのだ。
退屈を好奇心で埋めていくと地球から人の姿は消えた。
別にこの星が滅んでなどはいない。
旅行として訪れる事だって可能だ。
だけど、それよりもここではない何処か。
だれも知らない場所へ人々は駆けて行ったのだ。
目を閉じた時、僕の体内にあるナノマシンの位置座標を受信して光速艇が僕の元へやってくる。
さて、そろそろ帰るか。
少しの名残惜しさを胸に。
退屈を紛らわす僕の地球の旅は終わりを告げた。
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