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数時間後。

光速艇は光の速さで青い星へやって来た。

そう、この星は青いのだ。

ドームで覆われていることもない、人工光源もない。

全てが現実的にリアルに存在している。

何故、僕らの祖先はこの星を退屈と思い、手放し、終わりの無い、果てのない星々の旅に出たのだろうか。

降り立って真っ先にそんな事が頭を過る。

着陸地点はニホンという街があった場所だった。

ありえないほどの建築物の数で、繁栄した時代の名残りが聳え立っている。

例の大男の端末に着信は来ないし、人など当然居ない。

光速艇で帰るまであと5日ほどあった。

孤独感とバックパックを背負いとりあえずこの誰も居ない街を探索してみることにした。

孤独ではあったけれど不思議と退屈ではなかった。

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