act.3 僕話ヒノトリ






 「あ、この人も異世界の人だ」

自分以外のVtuberさんの情報をスマホでチェックしてみる。また異世界出身の人を見てしまった。

「別の世界に来てまで動画撮影するってなんなんだろ……この人達色んな世界から来てるけど戦争とかSF的ややこしい話が起きないといいな…」

異世界から来たならもっと違う活動してほしいと実家の部屋で思っていると……

ガチャン!

「はい?」

「オジャマシマス」

「ええ!! あなたは……」

見覚えのある女のゾンビが部屋の中に入ってきた。

「ヒノトリがお呼びです」

「え? ヒノトリさん?」

この子は外僕ちゃん。僕らがさっきから話しているヒノトリさんの部下。ヒノトリさんが何者かと言うと……


 ※


 「ヒノトリさんは僕に一体なんの用なの?」

「ワカリマセンが、恐らく作品ほーしんの話題かと」

外僕ちゃんに連れられ僕はヒノトリさんのおうちというか喫茶店に向かう。


「マスター、縁タツヤ様をオツレシマシタ」

外僕ちゃんが店の扉を開けて入ると、

「ああ、タツヤくんこんにちは」

「ヒノトリさん」

この赤いひよこさん?がヒノトリさんだ。

「どうしたのヒノトリさん」

「タツヤくんよく来たね」

「作品解説ですか?」

「まあね」

ヒノトリさんは別に異世界の人ではないが特殊な存在だ。概念のキャラクター化した存在。神話獣みたいなもんらしい。

「あの、僕ヒノトリさんを理解出来ないと思うんですが?」

「構わないよ。いずれわかるから」

ヒノトリさんは自分のオリジナルの神話を生み出すためにVtuberになったという。

「神話は人が生み出していくだろう。私もその一人になりたいのだ」

ヒノトリさんはつらつらと話し出す。動画でも似たような話をするので内容は聞かなくてもわかるけど。

「外僕ちゃん、お茶とかない?」

「アリマスヨ」

外僕ちゃん可愛いなぁ。もっとこうお姉さん系の人とお近づきになりたいなぁ…

「そもそも神はね、」

ヒノトリさんのいつものお話が始まる。

僕は何回も聞かされたからもうほとんど頭に入っている。

「外僕ちゃん、僕の動画出てみない?」

「マスターがなんて言うかワカリマセン」

この喫茶店、お茶がおいしいな…

ヒノトリさんと外僕ちゃん、異世界にだけは行かないでくれよ……



「この喫茶店、寄せ鍋ないの?」

「あるわけないじゃないか」

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