2
リー…ン
リー…ン
声がする
桜の匂いがしはじめた春の夜
リー…ン
その声は、
彼の唇からこぼれていた
「………、」
熱がぶわりと俺の体を持ち上げる
暗い部屋 部屋の影 月の下で
そのシルエットが誰だか覚えている
もうここには来ないはずのひとだ
どちらも言葉を失って、次の瞬間 彼は掻き消えた
誰もいなくなった二階の一室
「………果楽……」
その名は、
俺の唇からこぼれていた
誰かの夢が絢織られるのを感じながら。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます