sinfonia

外並由歌

篭結い

1

それはまるで


篭の中に捕らわれているようだ


と 彼は言った



真っ白な世界の真ん中


僕はただあなただけを見ている


あなたしか見えていない



それが“僕”なのだということ


尊ぶべきこと



「終わりがあるから世は儚くて尊い。しかし俺には耐えられなかった」



彼女との別離があんなもので飾られてしまうなら


無言のうちに そう、彼は悲嘆していた


“僕”にはそれがよくわかる


よく、解る



きっと、後悔などしない



「そうか……———それじゃあ、果楽から、いずれまた。……七ノに幸多からんことを。」


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