第5話
すると、彼ーーージュピターは、呆れたようにため息をつくと、
「おいおい、この世界に生まれたんだったら、魔法ぐらい使えるだろ?」
その言葉に私はポカンとして、まじまじと彼を見つめてしまった。
「ーーー使えるのかな、魔法?」
自分の手をまじまじと見つめてしまう。
私の言葉に、ジュピターはコケた。
「お〜い、溺れた時、頭打ったか?いいか、魔力があれば、誰でも魔法は使える。そして、この世界には魔力に満ちているから、誰でも魔法は使える。ーーーまあ、例外はあるが」
そう言って、持っていたコップの中の水をぐびりと飲んだ。
「ーーー例外?」
私も急に喉の渇きを覚え、水を一口飲む。
不思議な事に、ほのかに甘く、入れてから大分経つのに、冷たいままだった。
「ああ。稀に生まれてくるんだ、魔力を全く持たない子供が。ーーー後は、異世界から突然迷い込んだ者とかな」
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