第4話

「でも、ここじゃなんだから、小屋の中に入ろうぜ。あそこなら、魔物も来ないし、追い剥ぎ、強盗も来ないからな」

と、彼はさっさと私の手を握りしめて、歩き出した。

小屋は、森の中に、ポツンと立っていた。

でも、ボロボロだ。

「ここはよ、使われなくなった森番の小屋だな。緊急時に駆けこめるように、いくつか森の中にある。そうだな、森の中には薬草とか、貴重な植物があるからな。この辺の村の連中は、それらを集めて、売っているのさ。ーーー意外と金になるんだぜ?」

喋りながら、暖炉に火を入れ、風の魔法で当たりのホコリを払い、テーブルの上にあった古びたロウソクに火を灯した。

ぼっ、と音がして、辺りが明るくなる。

「思ったより広いわね、ここ」

私はポツリと呟いた。

「そうだな。見た目と違ってギャップがあるが。ーーー喉乾いたろ?」

そう言いながら、どこからともなくコップを出し、水魔法で水を入れてくれる。

「貴方のそれ、魔法よね。いろいろできて便利ね」

と、思わず感心してしまった。

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