第2話
ーーー今の光は一体なんだろう?
わたしの身体を温かい光が包み込み、優しく癒してくれる。
失恋の痛みもなにもかも、嫌な事全部、ストンと忘れるほど、ついでに濡れた身体も一瞬で乾いている。
「ーーーよし、なんとか助かったな。お前、あの川で溺れていたんだけど、うっかり落ちたか?」
彼は笑いながら、顎で川をしゃくる。
ーーー川!?立ち上がろうとした私はくらりと立ちくらみがして、
「おっと、無茶しちゃいけないよ、お前、溺れかけたんだから。とりあえず、ここから離れるか」
慌てて、彼が受け止めてくれなかったら、私は倒れていたに違いない。
私は恐縮しつつ、自分の身体を確認しようとしてーーーあれ?私、ドレスなんて来てたっけ?しかも、サラリと頰にかかった髪を慌てて見ると、なんと銀髪だった。
はっ、と息を呑み、
「おい、どうした?もしもし?」
と、困惑している彼を突き飛ばし、近くの川へ。
ーーー鏡の代わりになるかと思ったんだもの。
川縁から、そっと顔を写して見ると。
月の光に照らされて、顔がはっきり分かる。
銀髪の、堀の深い、紫の瞳の美少女が、そこにいた。
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