小学生⑨ ポケモン 後編

そんな中ポケモンがアニメ化された。自分の場合はオンタイムでは見れなかったものの、録画は許されており(当時はまだVHSでした。懐かしい!)、塾から帰ってご飯の間に見ることができた。


そんな中ポケモンのアニメ番組で事件が起きる。30代以上の人間ならば、多くの人が覚えているだろうが、いわゆる「ポケモンショック」である。放送時の激しい光の点滅による視覚効果のため、視聴していた子供に吐き気・嘔吐などの症状を起こしたものである。病院に運び込まれた子供もいた。人気絶頂のポケモンに関連した事件で、メディアでも頻回に扱われた。


自分はもちろんその放送は見ていないのだが、その事が母親とニュースを見ているときに報道されて知った。


「こうなるからアニメは見ちゃダメと前から言ってたんだよ。あなたは見てなくてよかったね」


鬼の首をとったかのように母は言う。確かに僕がその放送を見て体調を崩さずにすんだのは良かったかもしれないが、そんなのは偶然であり結果論である。ただ母はまるで自分が息子を救ってやったかのようだ。さらにはテレビを見せない口実まで得た。録画していたポケモンのビデオも捨てられてしまった。


なんてこった。おかげでますます勉強に集中させられるではないか。

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