はじめに②
決して自慢ではないが、僕は国立大学である九州大学の医学部に入学、卒業し、医師免許を取得している…
ドヤッ
はい、すみません。嘘つきました。自慢でした。
しかし、そんな僕はお世辞にも親たちと折り合いが良くない。たしかに自分の親たちは教育に関してほかの家より厳しかったが、それは国立の医学部に入れ、一人前の医師にするまで自分を育てるためでもあったろう。それにもかかわらず、僕は親を嫌悪している。それは彼らに育ててくれた事への感謝の気持ちが足りないからであり、そんな自分は自己中心的な親不孝者だと今までは思っていた。
実際周りの人は自分の学歴を知ると「両親に感謝せんとねー」と口々に言う。僕も「親に感謝しなきゃな」とは思わない訳ではなかったし、「もういい年なのだから仲良くしたい」と思った事も一度ではない。
しかし、どんなにフラットな気持ちで親と対面しようとしても彼らの顔を見た瞬間から負の感情が沸き立ってきて、とてもじゃないが平静な気持ちで話ができなくなるのである。そして知らずの内に険が出てき、すぐに喧嘩腰の話口調になる。正直顔を合わせるのも嫌である。
いうなら親アレルギー。一種の病気みたいであった。
しかし原因が今わかったのである、親たちは教育虐待者であり、自分はその被害者であった。そら「顔も見たくない」となる訳である。
自分の親不孝さが原因ではないと気付くとともに、もう無理して親に感謝しなきゃいけないと考える必要がないと思うと、気が楽になった。
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