No.7-27

 私は、黄色い水仙の花束を持って、目標とされる場所に向かった。

そこでは葬式が執り行われている。

黒い喪服に身を包んだ人々が、会場を出入りする。

ある高級軍人の葬式らしいその場所で、私は目標とされていた人物に、花束に仕込まれた自動小銃を撃ち放った。

悲鳴が上がる。人々はパニックに陥り、出口めがけて殺到し、小さな子どもが一人、出入り口で踏みつけられて倒れているのが分かる。

私は葬式の会場で、自動小銃を斉射する。

「お前らは一体、何なんだ。何故、我々を殺そうとするんだ。何故!」

 そんな声が、何処から聞こえてくる。そうだ、とまた誰かが言う。

私は、叫んだ。

「静かにしろ。弾はまだ、残っているんだからな!」

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