No.5-18
異変はすぐに起きた。
この事実についてどのような想定がなされるかは定かではないが、彼女が次の作戦……敵軍の抵抗能力を完全に奪い取るための軍事作戦。彼女流の如何にも事務的な作戦名『敵攻勢仮想ベータに対する大規模反撃』が始動するその一日前にそれは起きた。
アルファ攻勢において少女に協力した士官達が、彼女の居る作戦司令室に現れた。
少女は言った。
「ベータ作戦の準備行動は明日からだ。今日来ても諸君らに仕事はない」
彼等にはひと目もくれず、資料をじっと見つめながら少女はそう言った。
士官達は少女を見ている。おずおずと如何にも気まずそうに、男の一人が口を開く。
「あのう、そのう……大変申し訳なく思うのですが、その……我々にも、生活があるのです」
彼等の話し方に変な部分があることに少女が気が付いたのは丁度この瞬間である。
三人の士官の後には戦闘装備を身にまとった兵士達。彼等は実に手際良く、少女を誘拐した。
彼等は少女を眠らせ、兵士であるあの女性らと同様の装備を着させ、指定の輸送車両へ放り込んだ。少女はこの瞬間から
『二等兵 ミカサ・アキヤマ』
として扱われることとなった。
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