第101話 エッチな思い出

鈴木「(お風呂から上がると、俺は旅館からこっそり抜け出し、一人で月を見上げながら波の音を聞いていた。こんな風に言うと聞こえはいいのだが明彩や柳生さんがワイワイ騒ぎながら髪を乾かし、寝る時はブラジャーをした方がいいとか、しない方が楽とか、テンションがマックスになっていたので、そっと抜け出してきた。それに、男がいない方が女子同士でいろいろな話題で盛り上がるだろう。夏の風が頬を撫でて、気持ちのいい夜だった。)」


笹島「ねぇ、鈴木くん。」


鈴木「(突然背後から声をかけられ、振り向くと浴衣姿の笹島さんがにっこりと微笑んでいた。満点に輝く星空と重なり、普段よりも3倍は可愛く見えた。それに、浴衣姿っていうのが、ドキドキするんだが。)」


笹島「隣いいかな?」


鈴木「っ……もちろん、いいよ。」


笹島「ぁ――っ……。」


鈴木「(笹島さんが砂浜に足を取られ、俺の体の上に、重なるように倒れ込んだ。笹島さんの顔がすぐ近くにある。首を少し前に出すだけで、唇と唇が重なる距離だった。)……っ大丈夫?」


笹島「ぅん。ご、ごめんなさい。」


鈴木「(そう言うと、笹島さんはすぐに体制を立て直し、俺の隣で体育座りをした。)」


笹島「鈴木くんは、合宿楽しんでくれてる? 私は図書委員のリーダーとして、鈴木くんにこの合宿を楽しんでもらう義務があるというか。ひと夏の思い出を作ってもらいたいというか。言ってる意味わかる? でも、実際はそんなこと言いながら、命を助けてもらったり、私は鈴木くんに迷惑かけてばかり……。明日にはもう帰っちゃうわけだし。……だから最後に、私からのお礼を受け取ってもらえますか? ううん、受け取ってください。」


鈴木「ちょっとタンマ! ……俺は、この合宿を楽しんでるよ。笹島さんを助けたのだって、頭に血が上ってて、よく覚えてないし。それに当然だろ。」


笹島「そうじゃなくてね。私は受け取ってもらいたいんだよ。お願い。前に、穴があったら入りたいって……。鈴木くんそう言ってたでしょ。……私は好きな人になら、私の穴を触って欲しいと思ってるんだ。あぁぁぁあもうぅ……! ――はっきり言いますっ。女の子だって――ドキドキすること。気持ちいいこと、したいんだよ。あはは。一緒に二人だけの思い出を、つくってくれませんか?」


鈴木「(笹島さんの横顔を見ると、月明かりを浴びて頬が朱色に染まっていた。手を握られて、心臓が飛び跳ねた。それから俺の手は、笹島さんに誘導されるまま、笹島さんのフルーツへと導かれる。)」


笹島「図書委員を盛り上げてくれて、ありがとう。命を助けてくれて、ありがとう。お礼のフルーツです。小さな果物でごめんね。明彩さんに言われて、ナイトブラはつけてるけど、でも鈴木くんだけの甘い甘い果実だよ。食べていいんだからね。あはは。」


鈴木「(笹島さんは、そう言うと、澄みきった波のように静かにゆっくりと、浴衣を脱いでいく。すらっとした足首から、くびれのある腰、それから小さなフルーツまで――その曲線が月明かりを浴びて、美しい――――。これ以上、俺の心臓が持たない。とっくに体はあつくなっている。これは、男のサガだ……。)」


笹島「パンツにナイトブラ。水着だと思えば、全然エッチじゃないけど・・・。それも脱がせて、よく見てください。私を知ってください。女の子の部分を、見てください。」


鈴木「(笹島さんの爽やかな瞳に、俺は吸い込まれてしまいそうだった。それから、笹島さんの吐息も、全身から香る甘い蜜も……。ひと夏の甘い甘い魔法のようだった。)」


おまけ

ーーー

鈴木「ただいま・・・」

明彩「あんた、どこ言ってたのよ?」

鈴木「ちょ、ちょっと散歩。」

明彩「ふぅん。妖怪にさらわれなくて良かったわねっ。」

柳生「す、鈴木! きさま、浜辺で何をしていた? 誰かといたような?」

明彩「そうなのっ?」

鈴木「べ、べ、別に! ひとりだし。」

明彩「嘘言うと、閻魔様を呼ぶわよ!」

鈴木「・・・・・・・・・。」

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