第88話 合宿の幕開け
鈴木「(待ちに待った日がやってきた。俺は人を顔で選ぶタイプの人間ではないが、何故か超がつくほど美人な3人と、これから合宿に向かう――。同じ電車に乗って、同じ宿に泊まり、同じご飯を食べる。これが落ち着いていられるだろうか……。どんな男子だってそれは、不可能だろう。そして、こんなキラキラと輝いた夏は二度とこない! と、断言できる。これは――奇跡だ。神様からのプレゼントだ。俺のようなぱっとしない、どこにでもいる普通の男子が、美少女に囲まれて、――合宿!!! 浮き立つのは仕方ない。が、出来るだけ平常心を保たなくてはならない。朝っぱらから、顔がにやけている男子なんか、気持ち悪いだろ。深呼吸をして、気合いを入れ直す。よしっ! 俺は、ゆっくりと集合場所の駅へと、足を進ませた。)」
――ギラギラ ギラギラ
――ギラギラ ギラギラ
――ミーン ミンミンミン ミーン♪
――ミーン ミンミンミン ミーン♪
鈴木「(あづぃぃぃ。真夏の太陽がアスファルトを照りつけている。でも、これがいいんじゃなか!!! 暑い夏に合宿がいいんじゃないか!!! 暑い夏が、勝手に心を踊らせる。――待ち合わせの駅前に、到着すると、図書委員の女子メンバーが全員揃っているのは、確認できたのだが、想定外なことが………………。そのですね、図書委員の女子メンバーの周りに握手を求める男性が集まっているのだ。俺は、知らなかった。美少女が、4人も集まると、握手会になることを……。)」
笹島「――みんなで図書委員をしてます。皆さん、ぜひ本を読みに来てくださいね。私たちのオススメの本を紹介しますよ。」
――絶対に読みに行きます!
――毎日通います!
――こんな図書室だったら、お金払ってでも行きたいよな!
笹島「あはは。お待ちしてますね。」
鈴木「(笹島さんの自然な笑顔に、暑さが吹っ飛び。涼葉さんクールな立ち振る舞いに、ひんやりするものを感じる。柳生さんの露出の多さには、目がギラついてしまう。そして極め付けは、やはり美少女の代名詞、田中明彩(あかり)のワンピース姿。これには息をのんで、見とれてしまうほどだった。)」
笹島「あっ! 鈴木くーん! こっちこっち! みんなもう揃ってるよ。」
涼葉「鈴木、遅い。」
柳生「遅いので、心配したぞ!」
明彩「バーカ。女子を待たせるなっ。罰として、みんなの荷物全部、持ってよねっ!」
鈴木「荷物全部って……。はぁぁぁあああ! 断る!(こうして、俺の合宿は幕を開けたのだ。)」
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