第73話 みだらなクール美人
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鈴木「おおおぉぉぉおおおおーーー! てめぇら涼葉さんに触れんなっ!(今にも涼葉さんに噛みつこうとしている化け物を傘お化けで強打! なんとか化け物を吹っ飛ばしたが、まだ無数にいるぞ。この数どうすんだ……。傘お化けも折れなくて良かった……。)」
涼葉「鈴木……私を助けに来た? 頼んでない。」
鈴木「今そんなこと言ってる場合じゃないだろっ! この化け物たちをなんとかしないと! おおおっ!(飛びかかってくる化け物を、傘お化けで再び跳ね返す。)」
涼葉「……私がなんとかする…………。」
鈴木「言いたいことはわかるけどな! そんな体で何が出来る? 死んだらそれで終わりだぞ。俺のペットになって膝枕させてくれるんじゃなかったのかよっ!? だから、死ぬな!」
涼葉「ペットになる。それは叶えたい。……可愛いねって、もう一度言われたい。一緒に散歩したい。デートしたい。」
鈴木「(世界の終わり、みたいな顔で言うなよ……。)だったらこいつらを倒すいい方法はないのか?」
涼葉「……ない。」
鈴木「……あぁあああもう!(話している間も、化け物は飛びかかってくるわけで……。傘お化けで対応できるのも、そう長くない。)」
涼葉「なんとかする!」
鈴木「(止めようとする俺の手を払って、涼葉さんが化け物に向かったとたん、化け物の口から糸が出て、涼葉さんの体を縛り上げた。先ほどよりも、制服が所々破けて、みだらな雰囲気になる。)」
涼葉「ぅうぅうゔゔ、ぁぁあああ!!!」
鈴木「(体全体に激痛が走っているのだろう。悲鳴をあげる涼葉さんを見ていると、こちらまで苦しい――。)――やめろっ!!! (俺は傘お化けを必死に振り回して、その糸を切った。)――こんな時に何か力が使えれば!」
涼葉「……鈴木じゃ無理。それより、傘お化けなら、なんとかしてくれる……かも。」
鈴木「傘お化けが?!」
涼葉「うん。ちょっと貸して。私の妖魔をこの傘お化けに宿す。」
鈴木「……待て?(嫌な予感がして、涼葉さんの手を握った。)」
涼葉「なに?」
鈴木「お前にそんな妖魔残ってんのか? よく分からんがそういうのってとてつもなく妖魔を使うんじゃないのか?!」
涼葉「バカ。アニメの見過ぎ。」
鈴木「そうか。そうだよな、それなら頼む!(涼葉さんは、静かに目を閉じると、ゆっくりと妖魔を傘お化けに流した。徐々に傘お化けが妖魔の薄い光を放ち、少しだけだが見た目も大きくなったような……。これなら、なんとかなるような気がしてきた。)」
――ギョロリ――――。
鈴木「(傘お化けの目が光った。なんかすごいっ。頼もしく見える。)っ……え!? ――涼葉さん? ――おいっ! ――しっかりしろ!!!(突如涼葉さんは、意識を失い、俺の胸へと倒れ込んできたのだ。……アニメの見過ぎじゃなかったのかよっ! くっそうおおお!!!)」
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