第70話 Re:ゼロから始める学園生活
鈴木「(涼葉さんにパンツ姿で膝枕……。って想像しただけで鼻血が出そうなんだが。……しかし、こんな意味不明なお願いを受け入れるわけには……。いや……よく考えろ。ここで断ったら刀のような鉛筆で心臓をひと突き――。あれは、マジでやばい刀で、妖怪をばっさばっさ斬るかまいたちを宿している。だからこの場をうまくおさめるためにも、俺は頷くしかない。覚悟を決めると俺は、ゆっくりと頷いた。)」
涼葉「鈴木は優しい。」
鈴木「はぁ……、涼葉さんってやっぱり……分かんねぇなぁ。仲良くなりたいと思ったら遠ざかり、遠ざかったかと思うと近づいてくる……。それに一番の疑問は、膝枕とか……どうしてその相手が俺なんだ?」
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涼葉「………………知りたい?」
鈴木「もちろん。」
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涼葉「私は、孤独だった。いつも1人。一緒に帰る友達もいない。明彩も学校では構ってくれない。ずっとこの世に存在してることを後悔してた。そんな毎日は辛かった。時には自分を見失い、妖怪に怒りをぶつけて斬った。でも、鈴木と出会って、私は変わった。」
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鈴木「(そんなに思いつめていたなんて、知らなかった……。涼葉さんの瞳に、涙が溢れてきて……。じっと俺を見てくる。)」
涼葉「私は、鈴木と一緒にいると楽しい。それに鈴木は私を美人、と褒めてくれた。――初めてだった。とても嬉しかった。鈴木には、私の気持ちが分からないかもしれない……。でも、鈴木は、私の王子様。」
鈴木「(めちゃくちゃ胸に響く言葉で、なんかこっちまで涙ぐんでくる……。なんだこれ。なんなんだこれは……。)……ん?(涼葉さんが、視線だけで何かを合図してくる……。それを見ていると、先ほどまでの、いい雰囲気が吹っ飛んだ。)」
涼葉「(――――スカート脱がせて。パンツで膝枕――――)」
鈴木「(今度は手も加えて合図している。しかし、全く分からん。もしかして、)……おしっこ、したい?」
涼葉「違う。でも鈴木が私のおしっこ見たいなら、(見せて……ぁ……げ……。)。」
鈴木「いや、それ絶対ダメ!!」
涼葉「見ても減るものじゃない。それに、おしっこ……(飲……で…………。)」
鈴木「っあ、ぎゃががっっぁぁぁああああ……。よく聞こえなかったが、恐ろしい。涼葉さんが恐ろしい。コミュ力ゼロ、友達ゼロ、常識ゼロ。本当にゼロづくしで驚く。」
涼葉「――Re:ゼロから始める、私と鈴木の学園生活。」
鈴木「その決め台詞も理解し難い……。」
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鈴木「(っ………………え……。涼葉さんに手を握られた。)」
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涼葉「私の人生、死んだらやり直せない。もし、これまでに、私が孤独に押しつぶされて、死んでいたとしたら……、鈴木には出会えなかった。私は、生きてて良かった――。」
鈴木「(そう言いながらにっこりと笑った涼葉さんの笑顔は、どんな美少女にも負けないキラキラとした光に包まれていた。)」
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