第65話 おっぱい見たよね?
笹島「もう一度聞くけど、図書委員になってくれるよね?」
鈴木「…………っ……えっと。」
笹島「鈴木君、私のおっぱい――見たよね!?」
鈴木「(な、なにいいいぃぃぃいいいいいいいいいい!? いつの間にか、弱みを握られたことになってしまっている!)」
笹島「女子高生の胸を見て、ピーチが・・・なんとかって? クラスのみんなに、言っちゃおうかな。鈴木君って、おっぱいソムリエでシスコンでもあるんだって――、」
鈴木「――――は、入ります!! 図書委員やらせてください!!! 俺ずっと図書委員やってみたかったんだよなぁ〜! あぁ本当に嬉しいな〜。(ゔぅぅ涙が止まりません。なんだよこれ! 天然ビッチ少女かと思いきや、計画的犯罪者だったとは……。首元に甘いナイフを突きつけられた今、俺は従うしかなさそうだ。)」
笹島「やっぱり鈴木君って思った通りの優しい人。安心したなぁ。これからは、一緒に図書委員、頑張ろうね。もっともっとみんなに利用してもらって、本を好きになってもらいたいんだ。」
鈴木「は、はい。帰宅部からの下克上、自称図書委員として、精一杯頑張ります!」
笹島「あはは。香月美や先生のライトノベルのタイトルだね。鈴木君は、自称じゃなくて正式な図書委員だよ。最初は、分からないことも多いと思うけど、困ったことがあったら、なんでも聞いてね。頑張ってくれたら、ご褒美のおっぱいもあるよ。」
鈴木「……ぁ……っ…………。(か、帰りたい。お家に帰りたい。)」
笹島「な〜んてね。こんな私・笹島紡喜(ささじまつむぎ)ですが、末長くよろしくお願いします。」
鈴木「(その笑顔は一点の曇りもなく、ただひたすらに、美しい眺めだった。)」
笹島「それじゃ、よろしくね。」
……ガラガラ。
鈴木「(と、反論も出来ずに扉を開けて退出する、俺の情けなさ……。)」
笹島「じゃ放課後に、また来てね。」
鈴木「う、うん。(頭の整理がまだ出来ていないが、帰宅部から図書委員になってしまった。仕方ない! とりあえずは、やってみるかっ!)」
――ちょん、
――――ちょん、ちょん。
鈴木「っえ? (教室の近くまでやって来たところで、誰かに背中を、突かれた。)」
――――ちょん、ちょん、
――――――――ちょん、ちょん、ちょん。
鈴木「――――わっ!(びっくりしてしまった。振り向くと、傘お化けが舌を出して、立っていた。その後ろ、明彩が頬をぷんぷん膨らませて憤慨している。)」
明彩「どこ行ってたのよっ? 傘お化けが寂しがって、教室で暴れようとしてたんだからね!」
鈴木「悪りぃ。ちょっとな。」
明彩「ん? あんたが素直に謝ることあるんだ?」
鈴木「俺はいつだって素直だよ。誰かさんが、妹から俺の記憶をまるっと消しても、文句を言ったりしない、とっても優しい男だ。」
明彩「それは・・・もう何回も謝ったでしょ。なのに、グチグチ、グチグチとお! 穂香ちゃんと付き合う約束を解決してあげたんだから、毎日のようにお礼を言われてもおかしくないくらいなんだからねっ!」
鈴木「ぐ、ぐぅゔがぁああぁぁあ。(両方の頬を摘まれて、左右に思いっきり引っ張られています……。)」
明彩「それより、傘お化けがついてるうちは、一緒に遊んであげた方がいいわよ。とっても珍しいんだから。」
鈴木「珍しい?」
明彩「うぅ〜ん。珍しいって言うより、有り難い。と言う方が適切かな……。」
鈴木「有り難い?」
明彩「そう! 傘お化けは、とっても有り難いのよ。」
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