第63話 美少女のおっぱい
鈴木「(俺は昼ご飯を食べ終わると、笹島さんと約束した通り、図書室へと向かった。入り口には【図書整理のため、生徒の利用不可】と、張り紙が出ていた。」
――ガラガラ
…………
………………………………
………………………………………………………………
鈴木「(他の生徒が入ってこないようにドアを閉めた。あたりを見たところ、誰の姿もなかった……。)あのぉ、鈴木ですけど、笹島さんいらっしゃいませんか……?」
笹島「あっ、鈴木君来てくれたんだ?」
鈴木「(カウンターから、にっこりと笑う笹島さんが顔を出した。)」
笹島「ごめんね、わざわざ来てもらって。こっちの棚を見てもらいたくて――、」
鈴木「(笹島さんが指差す方を見ると、特設展示と記された棚に、ライトノベルがずらりと並んでいた。」
笹島「これ全部、私が選書したんだ。大好きなライトノベルばかり集めたの。先生にいろんな理由をつけてライトノベルを集めるのって大変なんだよぉ〜。」
鈴木「(にこにこしながら笹島さんは、ひとつひとつ大切な宝物でも扱うように、ライトノベルを手に取り説明を始めた。)」
笹島「川原レキ先生著・『アクセス・ワールド』黒雪姫様が格好よくて、毎回度肝を抜かれるシーンが満載。私も黒雪姫様みたいに、クール美女になりたいなぁ。次はこれね、カルロ・ゼん著・『鬼教官幼女戦記』主人公のターニャ・フォ・デグレチャフちゃんに一度でいいから、銃口を向けられてみたい! 痺れるよねぇ〜。」
鈴木「うん。そうだよね! 全部わかるよ! 本当にそういう気持ちになるよね。ああ!! 葵せきナ著・『 学園ゲーマーズ!』もあるんだ。俺これを読みながら、天道可憐さんに恋をしてたの思い出すなぁ。(やばっ! 変態発言だったか?!)」
笹島「そうなんだ。天道可憐さん、可愛いよね。実はね……私、天道可憐さんが大好きで、よく仕草とか真似してるんだ。」
鈴木「(笹島さんが急に耳元の髪をかきあげた。天道可憐さんがよくする仕草で――見ていてドキドキした。………………このコミュ力はすごい。今日の朝に少し話して、これで話すのは2回目。なのに、誰もいない図書室で、2人きり。そして可愛い仕草を披露されて、俺はドキドキしている。ほぼ初対面だというのに、脳内が勝手にもしかして運命の出会い? なんて勘違いを始めている程だ。ここで笹島さんと、ぐっと距離を縮めないと、こんなチャンスは二度とこない。そんな風にも思う。)」
笹島「私だと、似合ってないよね。あはは。」
鈴木「ううん! すっごく、似合ってたよ。笹島さんって可愛いし。」
笹島「本当?」
鈴木「うん。」
笹島「ひとつ、お願いしてもいいかな?」
鈴木「(そう言いながら、笹島さんは制服のボタンを外し……、ブラジャーから胸をのぞかせ――。その瞬間に、俺は体を180度回転させた。――なんですかこれは? エロゲかなにかですか? ビッチってやつですか? とにかく見ちゃダメでしょ!)」
笹島「私ね、おっぱいに自信なくて、でも男の人に、可愛いねって言ってもらえたら――そしたら、自信つくかなぁって。色もかたちも悪くないと思うんだけどなぁ。確かに、サイズは小さいぃよ。やっぱり大きい方が男の子は好きだよね? でも鈴木君なら、ライトノベル好きだし、多分こういうの抵抗ないかなって思ったんだ! ダメ……かな? 感想聞かせてくれない?」
鈴木「(恥ずかしそうな声で言われると……、その声を聞いてるだけで、こっちまで顔が赤くなってくる。――どうすれば、俺はどうすればいいんだ。)」
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