第52話 エロ本?
笹島「しょ、商品は『妹と付き合うのは大切なお仕事です。』『妹ですが、お兄ちゃんと結婚しますっ!』『妹はエロマンガ先生』『妹がブラコンであることを兄だけは知っていた』『妹だけいればいい』『俺の妹がこんなに可愛いはずがない』ですね。全タイトルに『妹』とついていますが、宜しかったでしょうか?」
鈴木「(なんの確認だよ!)……は、はぃ。お願いします。(お会計を済ませて、ライトノベルを受ける。笹島は顔を朱色に染めていた。誤解だあああ。俺はシスコンではないぞぉ。慌ててレジから離れた。なんかすっげー気まずかった。頼むからクラスで言いふらさないでくれ。)」
明彩「あっ! ネギ男!」
鈴木「(聞き覚えのある声に振り返ると、明彩のやつがこっちを見ていた。)」
明彩「本? 穂香ちゃんの誕生日プレゼントでも買いに来たの?」
鈴木「(なんだこいつ。いちいち話しかけてくんな。俺は今手元に、爆弾のような代物を抱えているんだ。あっちいけ。)」
明彩「何買ったの? 見せなさいよ!」
鈴木「あああぁぁぁ・・・。(強引に奪われてしまった。馬鹿力めっ!)」
明彩「エ――エロ本!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鈴木「違う!!!(お客さんがいっせいにこちらを見たので、明彩を引っ張り、すぐ近くの公園に連れてきた。2人で炭酸を持ってベンチに座る。)お前って、声でかいな。」
明彩「あんたがエロ本なんて買ってるからでしょ!」
鈴木「(全国の妹系ライトノベルファンに謝れ! 刺されても知らんぞ。夜道は気をつけろ。まぁ俺のことではないので、忠告はしてやらんが。)」
明彩「この妹愛を見せつけられたら、逆に関心するわね。本当に妹がいないと生きていけないタイプなのね。」
鈴木「そうじゃなくて、穂香と付き合うって約束を、断る方法を知りたくて、それでライトノベルを読んで勉強しようと思ってな。10年も前の約束だぞ。それを楽しみにしてる穂香にどうしていいか、さっぱり分からん。家で顔を合わせるのさえも気まずい。そのせいで家にも居ずらい。」
明彩「ふぅん。馬鹿は、馬鹿なりに悩んでるんだ。(少しはいいとこあるじゃん……。でもさ、私とあんたが付き合ってたのは、100年も前のことだよ。10年前の約束で困るってことは、私たちが昔付き合ってた。なんて言ってもこいつは困るってことか・・・。それは寂しいな・・・。)」
鈴木「俺なんて自慢できる兄でもないのに、いつもお兄ちゃんお兄ちゃんって頼ってくれて、本当にいい妹なんだけどよ、付き合うのはやっぱり変だろ。」
……
……………………
鈴木「……?(ずけずけとした物言いの明彩が黙ってしまった。)」
………………
………………………………
………………
………………………………
明彩「いいじゃん。――付き合えば。」
ブーーーーー!!!
鈴木「(思わず、炭酸を吹き出してしまった。)お前な!」
明彩「――約束したんでしょ? 10年前に。」
鈴木「年月の問題じゃねーよ。」
明彩「そう。……でも、一年に一度の誕生日は誕生日なわけだし……プレゼントまだなら、一緒に買いにいかない? 私もお祝いしたい。涼葉も呼んで、みんなでお祝いしようよ!」
鈴木「そう、だな。よしっ、買いにいくか。」
明彩「うん。」
鈴木「(一瞬だけど、明彩がすっごくキラキラした笑顔で笑っていた。とても嬉しそうだった。)」
明彩「ほら、行くよ!」
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