第35話 ツンデレ美少女とクール美人の二股
鈴木「食堂から出ると、涼葉に腕を引かれて、人気の少ない校庭のベンチにきていた。なんでも、話したいことがあるんだと。まぁそれはいいのだが、涼葉と歩いていると、生徒が全員振り返る。美人ってだけで、すげえ注目度だ。」
涼葉「私、回りくどいのは苦手。だから、要するに。いや、この場合は概要から説明した方がいいのかしら。待って……、概ねという言葉が適切だわ。」
鈴木「お前、本当はめちゃくちゃ遠ましに物事を説明するタイプじゃないのか?」
涼葉「私に喧嘩を売るつもり? 私は、鉛筆刀を所持しているの。だからいつでも、スズキ君を三枚おろしにできる。でも、本当は私、まるかじりしたいのよ。おちん◯んも。だから、スズキ君を三枚におろしたくない。」
鈴木「さらりと卑猥な言葉をまぜるな!」
涼葉「そうね。SUZーUKI、くん。」
鈴木「英語なまりしてるぞ!」
涼葉「――私と明彩は、おっぱいの大きさも、性感帯も違う。」
鈴木「それは聞いた。」
涼葉「おっぱいの弾力も、乳首の色も、性格も違う…………。」
鈴木「(風が止まり、沈黙が流れる。何かを覚悟しないといけない。俺はそう確信した。次に涼葉が言う言葉は、きっと俺の青春を左右するに違いない。)」
涼葉「私と明彩は同じ人を――好きになる。でもそれを明彩は知らない――――。」
鈴木「(そう言うと涼葉は、空のうんと高いところにある入道雲を見上げた。それから、刀のような鉛筆を構えて、こちらを向いた。)」
涼葉「鈴木君の裏と表。この刀で、ぶった切って分裂させる。鈴木君が2人になれば、私と明彩は、あなたを取り合わなくていい。だから覚悟しなさい。」
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――――――
――――――――――
死ねえええええ!!!
鈴木「ひぇえええええ!!!(涼葉が刀を振りかざして、俺の顔面で刃先を止めた。)――死ぬかと思った。(いや、殺す気でしたよね?!)」
涼葉「嘘よ。切っても鈴木は分裂しない。だから、私と明彩。鈴木君はどちらとも付き合わないといけない。しかも――明彩には、私と鈴木君の関係を秘密にしたまま。」
鈴木「(あのまずは、刃先をしまってください。足の震えが止まりません。)」
涼葉「鈴木君は、二股をする。浮気者。変態。最低。」
鈴木「待て待て。俺は一言もオッケイを出してない!」
涼葉「鈴木君、これは相談じゃない。通告――。」
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