第29話 ツンデレ美少女とクール美人
――鯖食った、鈴木敬太だぞ――――
明彩「っわ!!!(びっくりした。)」
鈴木「ぐらっと世界が歪んだ瞬間、目の前にジュースを持ったまま腰を抜かす、明彩さんの姿があった。スカートがめくれ上がり、パンツが9秒ほど見えた。」
――ピンク色
鈴木「パンツに目を奪われている時。――人にて人ならず、鳥にて鳥ならず、犬にて犬ならず、足手は人、かしらは犬、左右に羽根はえ、飛び歩くものが羽ばたいて飛んでいく音が聞こえたのは、確かだった。」
明彩「警察までよんで捜索してたんだよ! どこ行ってたの!?」
鈴木「お、お邪魔しましたー! と、言い残すと、俺はとにかく急いで家に帰った。妹は部屋でごろごろしていたので、一安心。それからすぐに、風呂に入り布団を頭までかぶるようにして寝た。現実逃避とは、こういうことを言うのだろう。とにかく寝て、全てを平和な日常に戻したかったのだ。」
翌朝――。
鈴木「まだ誰もいない教室で、俺はひとりで静かに外の景色を眺めていた。まったくもって平凡でつまらない景色。だがしかし、穏やかで平和だ。そして心地いい。風が吹いて、カーテンが揺れる。なんとも素敵じゃないか。――ん? 視界にスカートから伸びる綺麗な太ももが2人分……」
ドンッ!!!
ドンッ!!!
鈴木「突如――、机の上に多額の借金でも取り立てるかのような勢いで、二つの手が机に叩きつけられた。俺の平穏な日々は、もう戻ってこないのだろうか……。」
涼葉「おはよう」
明彩「鈴木君っ!」
鈴木「(顔を上げると朝日がさす澄んだ空気の中に、学年でもトップクラスの美少女が2人立っていた。期待はしていないけれども、2人の美少女が、俺を取り合う。ってこともありえる。)」
涼葉「死んでって言ったら、死んでくれる?!」
鈴木「(つい先ほど、淡い期待を抱いたのは撤回したいと思う。それにしても、朝日をあびながら、髪を揺らす双子の姉妹を見ていると、……つい死んでもいいよ。なんて口を開いてしまいそうになる。きっとこの世のものとは思えないほどに、美しい景色なのだろう。その冷たい瞳を除いては……。)」
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