第27話 蘆屋道満

【日記】

◯月◯日


「明日は、鈴木君がお見舞いにきてくれますように。でも、もしこの日記を鈴木君が読むようなことがあったら……。鈴木君は――


――――――

――――――――――――――――――この世から消える。」


鈴木「普通なら納得できなかったかもしれない。けれども、俺は確かに現実から消えているのだろう。最初は、涼葉さんが消えたと思っていた。でも、消えたのは俺の方だ……」


鈴木「ここは明彩さんの部屋で、パンツもブラジャーもあるぞー! っとは、さすがにテンションはあがらない。でも、人生で一度は、女子高生の下着が入ってるタンスを、開けてみたい。それは、男性の欲望なのです。明彩さんごめんなさい……」


キラキラ〜 キラキラ〜


鈴木「タンスを開けた瞬間、パンツが神々しく光って見えました。ひらひらのついたパンツを一枚ポケットにくすねたところで、ポケットに何か入っていることに気がついた。……名刺?! あっそうだった。……昨日占い師と名乗るあの青年からもらったものだ。」


【名刺】

占い師・蘆屋道満(あしや どうまん)


鈴木「あの青年が最後に言った言葉を思い出しながら、スマホを握りしめると、俺は電話をかけていた。」


プルルル プルルル プルルル


鈴木「もしもし……鈴木です。」


蘆屋「スズキ? あぁこの前の魚君か。また、困ったことでも?」


鈴木「えぇ。その大変言いづらいのですが……。世界から消えてしまったんです。それで、困ってるんです。助けてもらえないでしょうか?」


蘆屋「頼れる人が僕しかいなかったようだね。うん、わかった。退屈しのぎに協力してあげてもいいよ。じゃまずは、ひとつ質問。時計は動いているかい?」


鈴木「えっと、動いています!」


蘆山「なるほど。そうだなぁ、部屋の中に鳥の羽は落ちていないかい?」


鈴木「鳥の羽ですか……。あっ、ありました!」


蘆屋「なるほど。」


鈴木「何かわかりましたか?!」


蘆屋「――人にて人ならず、鳥にて鳥ならず、犬にて犬ならず、足手は人、かしらは犬、左右に羽根はえ、飛び歩くもの――。なーんだ?」

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