第6話 書店デートじゃないから!
いえ、書店デートですよ。
・・・いえいえ、落ち着けわたしよ。いくら
友達と一緒に書店に行くのが楽しみすぎて
色々と妄想を勝手に膨らませるのは
申し訳ない!
「どーしたの、
「い、いえなんでもないのです立花さん!」
夕方の、通りを二人で隣り合って歩き
不思議そうに少し首を傾げて
不安の瞳をする立花さん。
そのちょっと心配を解消しようと
全力で応えます。
「そう?顔が赤いけど」
「こ、これは・・・わたしのご先祖が
赤鬼なんで、この時間になると先祖帰り
するのですので、顔が赤くなるのです!」
「・・・そ、そうなんだ・・・」
し、しまった!思いきり引かれましたよ。
立花さんとは、友達・・・たぶん。しかし
こんな百合百合な展開が
マンガにあった・・・
こ、これはデートなのでは!と
自ら望まず思考からの進行中の
妄想が暴走へと加速していき
止めてくれない。
でも、もう少し上手い誤魔化し方がなかったのかな・・・わたしよ。
どうしてその場しのぎ言葉が赤鬼の先祖帰り
だろう・・・最近その本を読んだかな?
「でも、無理はしないでよ蒲池」
「えっ、その・・・無理ですか?」
「なんか、違うように聞こえる・・・
まぁ、そんなことより蒲池って
教室では本を読んでいるけど、
どんな本を読むの?」
好奇心の立花さんの言葉にどうしようと
・・・わたしは、汗が頬に伝うのが
自覚します。その汗が流れるのは答えに窮してからで・・・つまり・・・その
読んでいたのが
女の子の友達に立花さんに言えるわけがなく
心の警鐘が鳴り響きのを聴こえるようです。
(くっ、わたしがぼっちだからこんな
微百合系なので見せていいのだろうか?
でもそれで、気まずくなったり
ちょっとした告白だと思われるかも
しれないわけで・・・あぁーー!!
悩むぐらいなら隠そう!)
「そ、その・・・言えません?」
「言えない・・・えぇー、言ってよ!」
「ひゃあっ!?」
立花さんの細い指が頬をツンツンと優しく
つつきます。
こ、これは俗に言うツンツン!?
初めてされてしまい変な
声が出てしまいましたよ、恥ずかし過ぎる。
立花さんを見るとわたしの反応に少し
驚き・・・どう思ったのか手に取るように
分かるような笑みを浮かんでいた。
「な~に、わたしには言えない本だったり
するの?」
す、鋭いよ立花さん。
「・・・・・・」
「え?そ、そうなんだ・・・なんか
ごめんね」
あ、あわわ!?なんかとんでもなく勘違い
されてしまったーーーー!!?
否定したいけど、その通りで想像しているのと違いますよと否定するべき!
「ち、違います立花さんそんな本じゃ――」
「でも、ヤバイ本だったらやめた方が
いいとわたしは、思うよ」
「・・・ヤバイ本?」
頬を赤らめて、目を逸らすその姿は
スゴい本だと絶対に誤解している。
その先が、言葉に出来ないのはエ、エロ本とか思われている・・・・・・・・
わ、わたしは、乱読するタイプですけど
流石にそんな本は読みませよ!
「あっ!しょ、書店が見えたよ」
「そうですね。・・・立花さんその想像しているようなものじゃないから!」
学校から最寄りで初めて来たわけでは
ないと思いますけど、
話を強引に逸らしたのが強く思います。
謎の想像されたものを否定しますけど
まったく信じてくれませんね。
わたしは、ヤバイ本も読む人と
固定されましたねこれは。
さて、とりあえず書店に入ります。
店内はそれなりに広いそして、近くにある
マンガを見て回る。
「あっ、
「あっ、うん。なに立花さん。
あっ!これ、【素敵な百合ライフ】・・・
確かわたしと立花さんが持って
いましたねぇ」
百合系のマンガ。素敵な百合ライフは
タイトルで
まだ、一巻しか出ていないが
人気が高く重版している。
そして―――
「そうそう。面白そうだから
買ったんだけど、面白かったのだけど
感想や伝える人がいなくて・・・
そう思っていたら蒲池にぶつかって・・・
まるであのマンガみたいでヤバイよね」
「あー、うん。主人公と学校の曲がり角で
ぶつかったのわたし達、みたいだね!」
立花さんとは曲がり角で衝突し、お互い
あのマンガを落として同じ本を読むことに
そしてあのマンガの主人公も曲がり角で
衝突が切っ掛けで友達になって
少しニヤニヤしてしまうほどに
どう話そうとか目があったシーンに
初々しくてロマンチックな物語。
まぁマンガはそうだけど、わたしと立花さん
はあのマンガのような関係性やイベント
なんてない友達ですけどねぇ。
「マジ
ドキドキとかした」
「マ、マジ卍・・・リアルで言う人
わたし初めてです・・・・・」
「か、蒲池!そんな引かれると傷つくの
だけど」
「あっ、ごめんね。つい・・・わたし
友達がいないからマジ卍に驚いて、
その・・・不快にさせてしまい
すみませんでした!」
ようやく友人に気の置けないほど
仲良くなっていないのに
頭を下げ自らの行いを反省と謝罪。
「い、いいから蒲池。傷ついていないから
わたし・・・ねぇ」
「た、立花さん・・・優しいですね」
「えっ、あ・・・う、うん。
そう優しく笑ってそんな言葉を言われたの
・・・初めて・・・・・」
「立花さん?」
頬を赤らめた立花さんは、言動が困惑を
露にする。少しクールな人だと思ったけど
かわいい面が見つかりました。
もちろん、普段の言動はクールでかわいい。
「そ、そうだ!わたし気になる本が
あったんだ。わるいのだけど
別々で行動ことで」
「えっ、は、はい!?」
立花さんは、奥の方へと行きました。
えーと、奥の方はなにがあったかな?
まぁ、後で行くとして
リア充の人達って突然こんな自由行動とか
言うのだろうか?
(まぁ、それはそれとして
好きな本を見ようと。
まずは、純文学作品とか
棚に並べている本など見ていると
楽しくてなんとも言えない幸せになる。
この本があるとか、未知の本とか。
(ハァー、堪能しました。
ジャケット買いは久し振りですね。うん。
さて、レジに会計を済ませようと。)
純文学作品二冊と使えそうな参考書一冊
を胸に抱くように向かいます。
レジが見える距離にそしてレジに会計中の
立花さんの姿がありました。
(立花さんだ。一体どんな本を
買ったのだろう?)
興味本心で、後ろへ並び少し横に見てみたら
・・・なんと、アウトドアの雑誌や
オシャレ系の雑誌でした。
「な、なんだかレベルが高い!?」
わたしが、興味ない本でしかも
できるリア充のような本でした。読んでいないから知らないですけど。
「?・・・・っ!か、蒲池もレジに!?」
衝撃に呟いていた声を聞き取られ
振り返る立花さんは、わたしを見て
やや驚いていました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます