第3話 ハイパーインドア

それから、翼と録画した番組を

鑑賞していたら就寝の時間と

なりわたしは自分の部屋に向かう途中、翼と明日のことを

話をしながら、三階に続く階段をのぼる。

下を見ながら振り向かず亜季は発する。


「明日の夕食なにするお姉ちゃん♪」


「うーん、なにをしようかな?」


「それじゃあ、決めていないなら

現地で決めない?」


現地というとスーパーマーケット

などで割引とか吟味したうえで

判断すると亜季あきは足りない説明なしで、妹の伝えようとしていたことを理解した。


「了解。翼は一緒に買い物は?」


現地でメニュー判断と購入は

決まったけど

同行するか亜季は必ず訊ねる。

前になんの相談もなく一人で

買い物をして帰ると翼がご立腹になっていた。それから亜季は翼に伝えるようにしている。


「もちろん行くよお姉ちゃん」


快諾、ほぼ毎日やっているのに色褪せることない喜色満面きしょくまんめん


「それじゃあ、いつもの家でいいよね」


妹は中学生で亜季は高校生。


学校から目的地に向かえば毎回時間が

少し遅れることどちらが起きて

わずらわせる。なので自宅で待っていた方が煩うことがなく趣味、勉強などで

時間を潰せると、姉妹の合流は家が多い。


「オーケー。」


これもいつもと変わらぬ返事。

ゆったりとした速度で三階に着き、

亜季は、右に向かい翼は左に向かい歩く。


二人の部屋は左右でその中央に大きな

ふすまがある。そこを開けば

姉妹共有の部屋または、居間になる。


姉妹の嗜好品しこうひんいこいの場所として使っている。

さて、左右に別れおやすみの言葉なく

お互い部屋に入る。


姉の亜季は、ドアを開き閉めようとしなかった。別に部屋の中で閉める

理由なんて

ないし、些細なことだろうが

姉は潔癖でそれを知っている人からすれば疑問を覚える行動だろう。

部屋は、アニメグッズでいっぱいだった。


(やっぱり、自分の部屋が落ち着くなぁ)


蒲池亜季は、かなりの

インドアであった。妹に明日の買い物を誘ったが、学校など普段、向かなければいけない場所以外は家で済ませることが多い。


好きなアニメのポスターや辞書や参考書が

整然としたデスクやチェア。

ベッドとその近くにセンターテーブルの

ガラス。とくに目立つのは本棚。


女性向けのラノベやときどき男性向けのラノベもあり、純文学、ノンフィクション小説、実用書などなど色んな本があった。


「お姉ちゃん来ました!」


自分の部屋に入った翼が姉の部屋に入り

開いたドアを閉める。


「うん。それじゃあベッドに入ろうか」


「はーい!」


翼は、数学の参考書を持参のため

一度、自分の部屋に入った。普段就寝しているのは姉のベッドである。


つまりほぼ毎日、一緒に寝ている。

亜季は、本棚からまだ読んでいない実用書を

取り出してベッドに向かい横になる。


亜季の低い枕の横に照明器具

シーリングライトのリモコンを置いて本を広げる。隣に横になる妹の翼。

一瞥いちべつすると、目の錯覚なのか

頬が赤くなっていて、満々な笑顔の妹につい微笑むわたし。


「えへへ、いつ眠ってもいいように

お休みなさいお姉ちゃん」


「はい。おやすみ翼」


そして、いい終えると睡魔が本格的に襲われるまで読書する。

スー、スー。可愛いイビキが聞こえ

横を見ると妹の寝顔で眠ったようだ。

まだ、亜季は眠たくなかった。

なので時間を忘れ本に没頭する。

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