第五町人 ダレドナタ
長いひげを蓄えていつもビールを飲んでいる。
学校一のわんぱく小僧、いつも教師が手を焼いている。
美人で気立てが良いからと、街の男に大人気。
ちょっと気難しい老婆、だけれど愛に溢れてる。
いやいや、それはおかしいぞ。
一体誰の話をしてる?
ダレドナタのことだろう。
靴屋の二階で微笑みかける街評判のお兄さん。
インコが唯一の相棒と洗濯頑張るお母さん。
すっ転んで笑ってるサッカー好きの娘さん。
時計の修理に精を出す無口で頑固なお父さん。
ほらみろ、そこにいるだろう。
一体誰がどなたなの?
ダレドナタはどこにいる?
ホントはどこにもいないんじゃ?
ウソだよそこにもいるじゃない?
それじゃあアンタは誰どなた?
もしくはワタシがダレドナタ?
「おはよう、アンタが、ダレドナタ」
「よろしく、ワタシは、ダレドナタ」
「…おかしいなぁ、何でこの人だけ取材出来ないんだろう?」
「おーい、お客さんだってさ」
「客?誰、どなた?」
「やあ、初めまして。ワタシは―」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます