第六町人 スーラ姉さん

細かい事は気にしないスーラ姉さんのお仕事は、

流れ星を作る事。


街の外れの大砲から空に向かって打ち上げれば、

夜空にキラリと流星走る。


時間も数も気分次第。

文句があろうが気にしない。


「流れ星にお願いして、願いが叶わぬ人はいない。

だから数打ちゃ皆が群がる。だから何にも決めないのさ」


それ聞き、おっさん怒って言った。


「俺は何度も願ってるのに、一つも出会いがありゃしない!」


「そりゃ悪かった。今日だけ時間を教えよう。家で待ってりゃ大丈夫さ」


それ聞き、おっさん喜び帰った。


あくる日、家が真っ黒こげ。

おっさん一緒に真っ黒こげ。

影も形も様変わり、残ったものは墨と灰。


スーラ姉さんは大砲磨き、今日も元気に流星飛ばす。


「流れ星にお願いして、願いが叶わぬ人はいない」

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