第2話 スゴロクで考える
物語の舞台が出来上がったら、次はストーリーライン ―― いわゆる、プロットと呼ばれるものに取り掛かりましょう。
私の場合、プロットはスゴロク風に作ります。
さて、皆さん。スゴロクを遊んだことはありますか?
サイコロを振ったり、ルーレットを回したりしてコマを進める、あのスゴロクです。えぇ、本当に、あのスゴロクです。テクニックの語呂合わせとかではなくて。
できれば、『人生』の名を冠する某有名シリーズを思い浮かべて頂けると、大変助かります。
人生はスゴロクだ!……――とは言えませんが、小説のプロットに関しては、私は『スゴロクのようなもの』と考えています。
例えば、学園モノならスタートマス(冒頭の場面)は学校の教室でしょうか? それとも、自分の部屋で朝起きるシーンからでしょうか? 異世界転移モノだったら、異世界の森の中かもしれませんね。
次に決めるのはゴールです。
えぇ、スゴロクですから当然です。ゴールマスが無かったら、モ〇ポリーになってしまいます。
小説におけるゴールとは、その物語を『どこまで書くか』を決める事です。
といっても、難しく考える必要はありません。なぜなら、その物語で『書きたいシーン』は既に決まっているのですから。
別に作者が書かなくても、登場人物たちには過去があるし、未来があります。例え、主人公が死んでしまっても、星は回るし明日は来ます。
だから細かいことは気にせず、『書きたいシーン』を書いたら、あとは深く考えずに、とりあえず一旦、〆てしまいましょう! 登場人物たちの『果てしない物語』に付き合う必要なんてありません。また書きたい事が出来たら、その時に改めて、続編を書けば良いだけです。
そんな感じで、3つのシーンが決まります。
・スタートマス(冒頭のシーン)
・イベントマス(書きたいシーン)
・ゴールマス(エンディングシーン)
後はこの3つのシーンが一本に繋がる様に、間に必要そうなイベントマスを加えていくだけです。
書きたいシーンに仲間がいるなら、それまでに仲間と出会うマスを用意しましょう。ゴールマスでお金持ちになるなら、途中で大金を手に入れるマスが必要です。最後にヒロインと結ばれたいなら、どこかに好感度を稼ぐマスを設けるのも忘れずに。
そうやって、書きたいシーンとエンディングシーンに必要な要素を書き出し、全て間に突っ込んだなら、その物語における、主人公の人生スゴロクの完成です。
つまりこれは、物語の種を中心に広がったジグソーパズルを、一本道に並べ替える作業です。読者にどの順番でパズルのピースを渡してゆくかを決める訳ですね。
小説におけるシーンとは『どこで、誰が、何をしたのか』でワンセットです。これを幾つも繋げていって、スタートから、書きたいシーンを通って、ゴールまで辿り着けるように、主人公に道筋をつけてあげてください。
そしてこれが、私がプロットと呼ぶモノの正体です。
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